最先端の農業技術を東日本大震災の被災地の早期復興につなげようと、農林水産省は宮城県山元町で、電子レンジで皮がむける新品種のクリの試験栽培を始める。収量を増やす技術も導入し、農業収入の向上を目指す。宮城県内の製菓業者に供給し、6次産業化を推進することも視野に入れている。 試験栽培されるのは、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所(茨城県つくば市)が2006年に開発した「ぽろたん」。殻と渋皮に傷を付け、電子レンジで2分ほど加熱すると簡単に皮がむける特性を持つ。 約70センチ間隔で植え、高さ約60センチに成長したら幹を曲げ、先端を隣の幹に接ぐ「ジョイント栽培」を実施。養分が均等に行き渡って実のなる枝が生えそろい、収量が増す最新技術で、10アール当たりの収量が、2〜3倍になると見込まれている。 農水省によると、これまでクリは収益性の低さから農家に敬遠される傾向があったが、皮むき