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ブックマーク / www.astroarts.co.jp (769)

  • 「ブラックホール警察」、隠れたブラックホールを発見

    ブラックホールとされる天体を精査しては何度も否定してきたことから「ブラックホール警察」と呼ばれる研究チームが、逆に自分たちで発見を成し遂げた。 【2022年7月25日 ヨーロッパ南天天文台】 ベルギーのルーベン・カトリック大学とヨーロッパ南天天文台の研究者たちを中心としたチームは、ブラックホールの可能性があるとされた天体を精査すべく追加観測を行っている。その多くを「ブラックホールではない」と否定していることから、研究チームには「ブラックホール警察」というあだ名が付けられている(参照:「「一番近いブラックホール」の存在、否定される」)。そんな風に偽物の指摘を続けてきたチームから、物を見つけたという発表があった。 「警察」がとらえた「ホシ」は、天の川銀河の衛星銀河である大マゼラン雲にあるVFTS 243だ。大マゼラン雲内のタランチュラ星雲(NGC 2070)のあたりにある約1000個の大質量

    「ブラックホール警察」、隠れたブラックホールを発見
  • 月のうさぎの餅つきは江戸時代に始まった

  • 探査機ジュノー、木星の大気を立体的にとらえる

    NASAの木星探査機「ジュノー」の最新の成果が論文として発表され、表面に見える大赤斑や縞模様などの裏で起こっている大規模な大気現象が明らかにされた。 【2021年11月5日 NASA JPL】 2016年に木星周回軌道に入ったNASAの探査機「ジュノー」は、これまでに木星への接近探査を37回完了した。マイクロ波や赤外線といった、木星の分厚い雲を見通すことができる機器などによる観測の成果をまとめた論文が発表されている。 ジュノーのマイクロ波放射計(MWR)は大赤斑などの嵐を調べ、高層と低層での温度の違いを突き止めた。その結果から、木星の表面に見える渦の多くは100kmの深さにまで伸びていることがわかった。これは太陽光が届いて大気を温める高度よりも深い。また、大赤斑は重力に変化を及ぼすほどの質量があるので、ジュノーが時速20万kmで通過するときに起こった毎秒0.01mm程度の速度の変化を検出す

    探査機ジュノー、木星の大気を立体的にとらえる
  • ダークマター不足の銀河、謎は深まる

    銀河NGC 1052-DF2がダークマターをほとんど含まないという異常は、この銀河までの距離が見積もりより近ければ解消できるとされていた。ところが距離を精査した結果、むしろ見積もりより遠かった。 【2021年6月25日 NASA】 私たちが認識する銀河の姿は、恒星や星雲などの目に見える物質によるものだ。しかし、宇宙に存在する物質の大半は電磁波で観測できないダークマターであり、銀河も基的に大部分がダークマターでできている。家が柱などの骨組みに沿って作られるように、星やその材料となる物質は、ダークマターの塊があって初めて銀河を形作るのだとされていた。 2018年、米・イェール大学のPieter van Dokkumさんたちの研究チームは、ダークマターをほとんど含まない銀河「NGC 1052-DF2」(以降DF2)をくじら座の方向に発見したと報告した(参照:「ダークマターのないシースルー銀河」

    ダークマター不足の銀河、謎は深まる
  • 宇宙放射線に6年曝露された精子からマウス誕生

  • 超新星で探る宇宙膨張の歴史

    Ia型超新星の観測データからハッブル定数を算出したところ、観測する距離によって異なる値となった。宇宙の膨張に関わる物理法則を見直す必要があるかもしれない。 【2021年5月21日 国立天文台】 宇宙が誕生した138億年前から現在に至るまで宇宙空間は膨張し続けている。その膨張率は、宇宙に存在する物質やダークマターによる重力と、未知の作用であるダークエネルギーによって、時間の経過と共に変化してきた。現在の宇宙における膨張率を表す「ハッブル定数」は、宇宙論における重要なパラメーターだ。 宇宙膨張の歴史のイメージ(提供:国立天文台) ハッブル定数の決定は年々精密になってきているが、導出に使う手段によって異なる値が出てしまうという問題が近年浮かび上がっている。代表的な2つの手段は、近傍の銀河の移動速度を調べる方法、そしてビッグバンの残光である宇宙マイクロ波背景放射を元に導出する方法だ。2つの手段で得

    超新星で探る宇宙膨張の歴史
  • 天の川銀河に潜む「ペバトロン」の証拠、観測史上最高エネルギーの光子

  • 火星の水は地殻に閉じ込められている

    太古の火星にあった水の大半は地殻の鉱物に閉じ込められているとする研究が示された。大気から宇宙へと散逸したという定説に見直しを迫る結果だ。 【2021年3月23日 NASA JPL/カリフォルニア工科大学】 数十億年前の火星表面には豊富な水が流れ、湖や大洋を形作っていたことが地質学的な証拠からわかっている。当時の火星には、100~1000mの深さで全球を覆えるほどの大量の水が存在したと考えられていて、これは大西洋の海水の量の約半分に達する。しかし、現在の火星の表面には膨大な量の水は見当たらず、両極の極冠などに水の氷がわずかに存在するのみだ。 NASAの探査機「バイキング」が撮影した火星(提供:NASA/JPL-Caltech/USGS) この「消えた水」は、火星の重力が小さいために、大気から少しずつ水蒸気が宇宙空間に逃げ出して失われた、というのがこれまでの定説だった。しかし近年では、火星の大

    火星の水は地殻に閉じ込められている
  • 火星の火山から伸びる雲の秘密

    火星のアルシア山山頂付近からは、最長1800kmの雲が伸びることがある。探査機マーズ・エクスプレスの監視カメラにより、その全貌がとらえられた。 【2021年3月16日 ヨーロッパ宇宙機関】 火星のアルシア山は、平原から測ると標高が20kmにも達する大火山だ。その山頂付近からときおり雲が伸びている様子が、火星上空を周回する探査機によってとらえられている。一見、火山が噴火しているように見えるが、実際には火山活動が起こっているわけではないらしい。 アルシア山は火星の赤道からやや南に離れたところに位置している。雲は決まって、火星の南半球が春や夏のころ、アルシア山が日の出を迎えるころに出現し、朝のうちに西へと成長し、午後には消えてしまう。火星探査機の多くは午後になるまでこの地域を撮影できない軌道を飛行しているため、この雲をとらえて詳細に分析するのは難しかった。 アルシア山山頂付近で発生する雲の動画。

    火星の火山から伸びる雲の秘密
  • 宇宙の初期状態を逆算する「時短テクニック」

    現在における宇宙の大規模構造から宇宙初期の密度ゆらぎを逆算し、インフレーション理論を検証する上で、「再構築法」と呼ばれる近似的手法が有効であることがわかった。 【2021年2月22日 国立天文台天文シミュレーションプロジェクト】 宇宙における銀河の分布は泡に似ていて、大きさ1億光年程度の空洞に近い領域と、その間に集まった銀河団や超銀河団が連なってできている。このような「宇宙の大規模構造」は、約138億年前に宇宙が誕生した直後にまで起源をさかのぼることができるとされる。特に有力な仮説が、宇宙が誕生直後に指数関数的に急膨張したとするインフレーション理論だ。この理論によれば、ミクロなレベルで生じるゆらぎがインフレーションで引き延ばされることで、後に大規模構造へ発展する粗密のパターンが初期宇宙に作られたという。 インフレーション理論には様々なモデルがあり、急膨張を経て形成される密度ゆらぎはモデルに

    宇宙の初期状態を逆算する「時短テクニック」
  • NASAの火星探査車「パーサビアランス」着陸成功

    時間2月19日午前5時55分、NASAの火星探査車「パーサビアランス」がジェゼロクレーターに無事着陸し、2年におよぶ予定のミッションが始まった。 【2021年2月19日 NASA/NASA Blog(1)/(2)/(3)】 パーサビアランス(Perseverance)はNASAが火星に送り届けた5台目の探査車で、2012年に着陸したキュリオシティ(現在も運用中)以来の新ミッションとなる。2020年7月30日(日時間、以下同)に打ち上げられ、太古に水が豊富に存在した証拠があるジェゼロクレーターを目指して航行していた。 大気圏突入から着陸に至るまでのプロセスは、キュリオシティとほぼ同じものが使われている。これは、熱シールドに守られながら大気圏に突入し、次いでパラシュートを展開、そして最後に「スカイクレーン」と呼ばれる装置で吊り下げるという3段階で減速しながら、目的の地点に探査車を着陸させ

    NASAの火星探査車「パーサビアランス」着陸成功
  • UAEの探査機HOPE、火星に無事到達

    昨年7月に日のH-IIAロケットで打ち上げられたアラブ首長国連邦初の火星探査機「HOPE」が、日時間10日未明に火星周回軌道に投入された。 【2021年2月10日 UAE Space Agency】 アラブ首長国連邦(UAE)の火星探査機「HOPE(ホープ)」は昨年7月20日に日のH-IIロケットによって鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、約半年間かけて火星に向かっていた(参照:「H-IIAロケット打ち上げ成功、火星探査機HOPE搭載」)。到着予定だった9日から10日にかけては管制を行うUAEのムハンマド・ビン・ラシード宇宙センターの様子がYouTubeなどで中継され、UAEのみならずアラビア語圏を中心に盛り上がりを見せる中、日時間の10日午前1時過ぎ、無事に周回軌道に投入されたことが確認された。 これまでに火星探査機を周回軌道に投入したり着陸させたりしたのは、米国、旧ソ

    UAEの探査機HOPE、火星に無事到達
  • 「金星にリン化水素のシグナル」は、二酸化硫黄の見間違い

    金星の雲からリン化水素(ホスフィン)を検出したという昨年の発表は、より高い高度に存在する二酸化硫黄で生じた吸収を見間違えていた可能性が高いことが示された。 【2021年2月3日 ワシントン大学】 2020年9月に英・カーディフ大学のJane Greavesさんたちの研究チームは、金星の雲からリン化水素(ホスフィン、PH3)を検出したという成果を発表した(参照:「金星の大気にリン化水素を検出」)。 研究チームは2017年にハワイのジェームズ・クラーク・マクスウェル望遠鏡(JCMT)で金星の大気から放射される電波を観測し、周波数266.94GHzの位置に吸収線を発見した。この周波数の近くにはリン化水素だけでなく二酸化硫黄(SO2)の吸収スペクトルも存在するため、吸収線の正体を突き止める追加観測が2019年にアルマ望遠鏡で行われた。その結果、JCMTで見つかった吸収線よりやや周波数が高い267.

    「金星にリン化水素のシグナル」は、二酸化硫黄の見間違い
  • 「子宇宙」から生まれた原始ブラックホールがあるかも

  • エウロパの地下海に熱水活動の証拠

  • 宇宙の大規模構造中のガス、80億年で温度が3倍上昇

  • 電波で初めて見つかった褐色矮星

  • 日の当たる月面にも水分子が存在

  • ケレスの白い堆積物のもとは地下からの塩水

    探査機ドーンの観測データから、準惑星ケレスの表面にある明るい堆積物は地下から湧き出した塩水に由来し、湧き水は現在も続いているらしいことがわかった。 【2020年8月18日 マックスプランク太陽系研究所/NASA JPL】 NASAの探査機「ドーン」は2007年9月に打ち上げられ、2011年に小惑星ベスタを1年かけて探査した後、第2の探査目標として準惑星ケレスへ向かった。そして2015年3月から2018年10月まで、3年以上にわたってケレスを周回しながら詳細な探査を行った。 ミッション最後の5か月間には、ドーンはケレスに35kmまで接近する軌道を周回し、直径約92kmの「オッカトル・クレーター」や、その内部にある特に明るい領域「ケレアリア・ファキュラ(Cerealia Facula;faculaは明るい点を表す)」や「ウィナリア・ファキュリー(Vinalia Faculae;faculaeは

    ケレスの白い堆積物のもとは地下からの塩水
  • まるで「ガスのないガス惑星」、巨大高密度系外惑星を発見