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ブックマーク / www.ringolab.com (125)

  • 江戸300藩 殿様のその後 [Kindle版] - 情報考学 Passion For The Future

    ・江戸300藩 殿様のその後 [Kindle版] 明治維新。大政奉還と廃藩置県により、各藩の大名たちは「お殿様」ではなくなった。明治、大正、昭和、そして平成と、元お殿様たちはどう生きたのか。末裔たちはいま何をしているのか。 著者は徳川宗家含めて幕末にあった約300の藩の最後の殿様たちのその後を調べまくった。ひとつの藩につき数行から数ページの記述であるが、かなり面白い。学校を設立したり、地場産業を興したり、元武士だから軍人として偉くなったり、さまざまな方面で活躍をしていた。 「来、明治維新を革命とするならば、大名家は消滅すべき存在なのだが、そこが、明治維新の不思議な部分である。旧体制の代表的存在の大妙な抵抗勢力とはならず、むしろ近代日の補佐的役割を果たしていく。」 皇室を支える、教育(学校設立など)、地方経済(地域産業振興)、政治、軍事(軍人として生きる)、文化の継承という6つの分野で、

  • 世にも奇妙な人体実験の歴史 - 情報考学 Passion For The Future

    ・世にも奇妙な人体実験の歴史 「何世紀ものあいだ、薬の安全性の検証は事実上、一般大衆の体によっておこなわれていた。用量を超えて飲めばほとんどの薬が危険だが、安全な服用量は誰にも分からなかった。とりあえず飲んでみて、様子を見るしかなかった。患者は薬を飲み、医者は患者が死ぬかそれともよくなるかを見るのだった。」 古代から19世紀にいたるまで多くの人々が病気の原因は悪い血であると信じていたので、腕を切開して瀉血したり、ヒルに血液を吸わせたりして、だらだらと何リットルも患者から血を奪っていた。医学的には患者を弱らせるのみの行為だった。 当に効く薬や治療法を見つけるには、誰かが最初に試してみなければならない。動物実験というのも現代では盛んだが、結局のところ、最後は人間が試さない限り、当に効くのかどうかわかりはしない。 ここに書かれているのは医学の当の歴史である。一部の勇気のある医者が自らの身体

  • 〈身売り〉の日本史: 人身売買から年季奉公へ - 情報考学 Passion For The Future

    ・〈身売り〉の日史: 人身売買から年季奉公へ 人間が人間を保有する、売り買いするとはどういうことかを日歴史(主に中世以降)にみる。 日には中世からつい最近(2005年)まで人身売買罪というものがなかったそうだ。人が人を所有し、売りとばすことは長い間リーガルだったのだ。中世では、飢饉になったとき、飢えて苦しむものがいたら余裕のあるものが買い取って使用人として使うことを認めていた。人道的な理由で奴隷を認めていたわけだ。 「厄介者」という言葉もそうした慣習からでたものらしい。 「子どもだけでなく、一家全員で親類や縁者の家に転がり込むという方法もあった。厄介とも呼ばれる。べさせてもらい住まわしてもわう代わりに、一家総出で厄介先の仕事を手伝うことになる。「親類境界」の養助というのがこの厄介に相当する。ただし、地のつながった血縁親族、あるいは厄介先で主の家族として扱われるのではなく、主の指

  • なんでも漫画化する 漫画カメラ iPhoneアプリ - 情報考学 Passion For The Future

    ・なんでも漫画化する 漫画カメラ iPhoneアプリ こういう実写を絵に変換するアプリはいっぱいあるが、これは当によくできている。 アプリを起動して効果フレームを選び写真を撮影するだけで、実写が漫画みたいな絵になる。この成功率が驚くほど高いのだ。 現バージョンではあらかじめ保存した写真を加工する機能はない。敢えてフレームに合わせて写真を撮るしかない仕様になっている。実はこれが成功率の高さと関係している気がする。 効果フレームを先に選ばせることで、それに合うような構図や絵柄をユーザーが自然と選ぶようになるのだ。 フレームの種類も豊富に用意されているが、有料フレームがあったら買ってしまうかも。 ハイパーメディアクリエイターという肩書にするフレームが個人的には一番好き。

  • 独立国家のつくりかた - 情報考学 Passion For The Future

    ・独立国家のつくりかた 建築家には変な人が多い。著者は熊に勝手に新政府を設立し、初代内閣総理大臣に就任した似非建築家だ。震災後に逃げろといわなかった政府に失望し、「プライベートパブリック」という概念を唱え、「新政府」を勝手に始めてしまった。所有権があいまいになっている土地を全国にみつけては領土としている。 とはいえ日には、法律というものがある。内乱罪にならないように新政府活動は「芸術」と呼び、社会を変える行為としての芸術活動として、新政府をやる。トンデモのようでいながら、相当なしたたかさを持った人だ。現代の日社会の楽しい歩き方を教えている人でもある。 お金がなくても楽しく暮らせる社会を目指す。たとえば0円特区構想。お金を稼がなくても楽しく生きていくために「態度経済」を実現せよと説く。それは「社会を変えよう、少しでもよくしようという態度を見せ続ける人間を、社会に飢え死にさせちゃまずいと

  • Habibi [日本語版] [大型本] - 情報考学 Passion For The Future

    ・Habibi I [日語版] [大型] 近年まれにみる傑作。アラビアンナイトの如く妖艶で純粋で煌びやか、そして力強い生命賛歌もありで、これまで味わったことがない漫画表現にクラクラきた。読後にスタンディングオベーションを送りたい気分になった。 大型700ページ(2巻組)の米国発グラフィックノベル大作。ニューズウィーク誌「2011年度 絶対読むべき10冊」、米国Amazonランキング1位など、世界で絶賛されている作品が遂に日語化された。 Habibiとはアラビア語で「私の最愛の人」という意味。 物語の舞台はいつの時代かわからないイスラムの王国。親に売り飛ばされた挙句、奴隷商人に捕まった9歳の美少女ドドラは、市場で出会った3歳の幼い黒人奴隷ザムをつれて、砂漠へ逃げる。 砂漠に埋もれた難破船で二人は母親と息子として暮らす。ドドラはときどき通りかかる旅の隊商を相手にひそかに売春をして生

  • ぼおるぺん 古事記 一 - 情報考学 Passion For The Future

    ・ぼおるぺん 古事記 一 [コミック] 古事記成立1300年ということで今年はとにかく古事記ものが多いのだが、これは『夕凪の街桜の国』などで知られる漫画家こうの史代がボールペン画という手法で挑んだ異色作。 冒頭に古事記全文を写経の如く小さな字でびっしりとボールペンで書き写したページからはじまる。巻物のように見えるように敢えて裁断していない装丁が意表をついている。著者はとにかくこの原文にこだわる。現代語訳を一切使わないつもりのようだ。コマには常に原文が書かれていて、脚注でのみ現代語の解説がつく。 オフィシャルサイト http://webheibon.jp/kojiki/ 漫画の絵柄はこのサイトで見ることができる。 長いマラソンが始まった。この1巻では天地創生、国生み、天の岩戸、黄泉の国、ヤマタノオロチといった物語が描かれる。古事記の序盤というのは、神様が次々に生まれてくるだけの記述が多いので

  • ピダハン―― 「言語本能」を超える文化と世界観 - 情報考学 Passion For The Future

    ・ピダハン―― 「言語能」を超える文化と世界観 キリスト教伝道師兼言語学者としてアマゾン奥地の少数民族ピダハン族の研究に30年を捧げた研究者が書いた衝撃のノンフィクション。著者はピダハン族と暮らすうちに、彼らの文化に魅了され、西洋文明の価値観を疑いはじめる。そして遂には無神論者となって信仰を捨て去ってしまうに至る。私たちとはまったく異なる世界認知のスタイルがあるということを教えられる。 ピダハン族の言語には数を表す言葉がない。色の名前もない。神の概念もない。我々がよく知る現代の西洋とも東洋とも違う認知世界の住人たちだ。ピダハンの生活は直接経験の原則で貫かれている。経験していないことは考えない。遠い昔のことや未来の話は語らない。空想の話もない。だから彼らの文化に口承伝承や神話、そして儀式がない。ピダハンも夜に夢を見るが、それも寝ている間の幻としてではなく現実の経験として扱う。 ピダハンの血

  • 昭和幻風景: 山本高樹ジオラマ作品集 - 情報考学 Passion For The Future

    ・昭和幻風景: 山高樹ジオラマ作品集 [大型] このはちょっと高いが、気になった人にはきっと繰り返しの鑑賞価値あり。「梅ちゃん先生」のタイトルジオラマを制作したジオラマ作家の山高樹作品集。大型。同氏による32点の傑作模型作品の写真が並ぶ。見える部分だけつくる撮影用ではなく、鑑賞用の作品として作りこまれており、どの方向から写しても細部まで見ごたえがある、見事。 写真の世界の言葉に記憶色という用語がある。多くの人がイメージしている色という意味だ。青空は青々としていて、リンゴは真っ赤で、桜の花は濃いピンクで、というように現実よりも鮮やかに、写真の色合いを修正することをいう。これらの作品はまさに記憶色的というか物の昭和以上に昭和の原風景を再現しているように思える。 この人のジオラマは単に建築物を再現したのではない。丁寧に作りこまれた人物フィギュアがジオラマ内のあちこちに配置されていて、

  • つながりすぎた世界 - 情報考学 Passion For The Future

    ・つながりすぎた世界 「一般的にいって、過剰結合状態は非常に不安定で変化が激しいばかりでなく、事故も引き起こしやすい。1958年にプリンストンの数学者ユージーン・ウィグナーが発表した論文によれば、高度につながった大規模なシステムは、特定の状況下に置かれると必ず不安定になるという。システムの規模が増し、結びつきが強まるにつれて不安定さは増していく。ウィグナーが分析した計算式は、経済学者が経済システムを分析する際に用いる計算式に酷似している。」 シリコンバレーのベンチャーキャピタリストが過剰結合状態にあるインターネットの危険性を論じた。現行制度の多くはもっと結びつきの弱い社会を前提に設計されている。インターネットがすべてを緊密につなげてしまうと、インターネットは制御棒を失った原子力発電所のように、臨界爆発を発生させかねない。 著者が提案する解決は、 1 正のフィードバック水準を下げる 2 事

  • "発想ババ抜き"もできる 発想ツールのアイデアトランプ - 情報考学 Passion For The Future

    ・アイデアトランプ ブレインストーミングに使うために設計されたトランプ。 普通のトランプの数字やマークと一緒に、発想を支援するフレーズが印刷されている。 ・繰り返し、なにかが起こるようにする ・ならべ方を、変える ・前にあったことを、ヒントにする ・向きを、逆にする ・皆が、大事にしたいと思うものをつける ・なにかの用事と、一緒にやる ・軽くする ・置く場所を、変える ・みんなで、一緒にやる などなど。 このトランプの使い方が2つ、説明書に紹介されている。 何にせよ、まずブレインストーミングのテーマを決めておく。 ■使い方1 クイックドロー テーブルの上にトランプを表にして並べる。じゃんけんで勝った人から時計回りで、発想のきっかけになりそうなカードを一枚手に取って、フレーズをヒントにして、テーマに沿ったアイデアをいう。30秒以内なら何枚引いてもかまわない。アイデアが言えたらカードを手元にお

  • 超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか - 情報考学 Passion For The Future

    ・超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか 幽霊、占い師、幽体離脱、念力と超能力、予知夢と予言者。ニュースになった"超常現象"を最先端科学で解き明かす。著者は超常現象は全部嘘というスタンス。科学でトリックを説明できるという。そして、各章でトリックを解き明かすと同時に、「あなたにもできるスプーン投げ」のように、誰にでも実際にできるやり方を示している。 驚くようなトリックというのはほとんどなくて、たとえばスプーン投げは折れる寸前まで曲げた「応力のかかったスプーン」を用意して隠し持っておく。いかに観客にこれを意識させないかがすべてのポイントになる。 ほとんどの超常現象に共通するのは錯覚だ。脳は環境の中で最も重要と思われる事柄を選び集中する。その他の事柄にはほとんど注意が払われない。詐欺師たちはこの脳の性質を利用して、見るものを欺く。 人間の脳のはたらきを知っていると思考さえ操ることができる。こ

  • 夢宮殿 - 情報考学 Passion For The Future

    ・夢宮殿 アルバニアを代表するノーベル文学賞候補作家による反ユートピア小説。やっと文庫化された。寓意に満ちていて非常に面白かった。 19世紀のオスマントルコらしき世界で、国民の見る夢を収集する巨大な官僚機構 夢宮殿。そこは何千人ものエリート官僚が働く秘密主義の機関だった。全国から集まる膨大な数の夢の報告を<受理>は受け取り、<選別>課は重要性で分類し、<解釈>課は隠された意味を読みとる。そして夢宮殿の最高機関<親夢>は、上にあがってきた夢の中から、帝国の運命にかかわる予兆を含む「親夢」をひとつだけ選びだして、皇帝に伝える。それが戦争や平和、国家プロジェクト政治的粛清の意思決定につながることもある重大な仕事だ。 国の名門キョプリュリュ家に生まれたマルク=アレムは縁故で夢宮殿に就職し、大臣や知事を親戚に持つ家柄の力で、順調に出世の階段を昇っていく。国家に奉仕する巨大官僚機構の恐ろしさ、滑稽さ

  • 『100,000年後の安全』『チェルノブイリ・ハート』 - 情報考学 Passion For The Future

    放射能を考える映画2作をDVDで観た。 ・100,000年後の安全 [DVD] フィンランドの高レベル放射性廃棄物の最終処分場オンカロ建設のドキュメンタリ。 フィンランドでは原発からでる放射性廃棄物を、南西部のオルキルオト島の地中数百メートルにつくった施設に詰め込んでいき、22世紀になって一杯になったら、穴をすべて埋め戻して入口を封鎖するというのが"最終処分"の計画である。何億年も変化がなかった土地なのでおそらく安全だろうという考え。埋めた廃棄物の放射線が人類にとって安全なレベルになるのは10万年後。 過去を振り返ると現生人類の祖先がネアンデルタール人と共に暮らしていたのが10万年前くらいである。人類のこれまでと同じだけの期間、どうやって「ここは危ないから掘り返すな」と未来人たちに伝えることができるかを考えることが、オンカロの設計者たちの責務だ。それが作のテーマ。 10万年後へのメッセー

  • 日本の歴史をよみなおす - 情報考学 Passion For The Future

    ・日歴史をよみなおす 「聖徳太子は倭人であっても日人ではない」 中世までの日史観を大きく変えた網野善彦の名著の文庫版。続編も収録。 日の社会は十四世紀の南北朝動乱以前と以降では大きく変容しており、その転換期を調べることで、中世日のイメージをとらえなおす。そこには教科書的常識とは大きく異なる、現代と異質の文化・社会が広がっていた。 民衆の生活や風俗に目を向けることで、時代の質が見えてくる。たとえば被差別対象の非人はかつては違った意味を持っていた。著者は非人とは中世以前はケガレに関する職能であったと指摘する。日文化のケガレとは「人間と自然のそれなりに均衡のとれた状態に欠損が生じたり、均衡が崩れたとき、それによって人間社会におこる畏れ、不安と結びついている」ものだが、十四世紀を境に社会が文明化されるに従い、ケガレに対する見方が畏怖、畏敬から、汚く汚れた忌避すべきものという現代の感

  • こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと - 情報考学 Passion For The Future

    ・こうして世界は誤解する――ジャーナリズムの現場で私が考えたこと "最も影響力のある国際ジャーナリスト40人"に選ばれたこともある中東に強いフリージャーナリストが語る現代のジャーナリズムの問題点。ブログやツイッターの話ではなくて、国際ジャーナリズムの質的議論がある。 中東特派員としてイラク戦争やさまざまな従軍取材を経験した著者は「もし欧米のマスメディアが戦争のあいだもきちんと仕事をしていたなら、テレビのまえに坐っていた視聴者は泣き叫び、反吐を吐いていたはずだ。」という。ニュースはまったく現地の実態を伝えることができていなかったのだと批判する。 たとえばイラク人が巨大なフセイン像を引き倒して歓喜の声をあげる印象的なシーンは世界中で放映されていてたが、現実は、アメリカ人将校が画策して200人くらいのイラク人が実行しただけのショーなのであった。危険だというテロリズムの現場に行ってみると案外に平

  • アーティストのためのハンドブック  制作につきまとう不安との付き合い方 - 情報考学 Passion For The Future

    ・アーティストのためのハンドブック  制作につきまとう不安との付き合い方 アーティスト = 美術作品、音楽、文学、写真など作品を制作する人 アーティストとして生きていく不安にどう対処したらいいか? 才能とは何か、自分に才能があるのかどう見極めたらいいか? 優れた作品とは何か?成功とは何か?アイディアと技術とどちらが大切か? といった問題に対して2人のベテラン・アーティストが答える。全米で20年間読み継がれた古典の翻訳。アーティスト指向の人が読むと、自分の抱えた論点がいっぱい言語化されているのをみるだろう。 このでは一度も創造性という言葉が使われない。著者らはその言葉をファ○クという言葉と同じように忌み嫌っている。アートを職業として生きていくには、当てにならない天才の創造性よりも、継続的に作品を作り続けていく継続性、生産性を大切にしている。まずは質より量なのだ、と。 こんな実験もでてきた。

  • 限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? - 情報考学 Passion For The Future

    ・限界集落の真実: 過疎の村は消えるか? 「限界集落」とは65歳以上の高齢者が人口の半数を超え、独居老人世帯が増加し、社会的共同生活が困難な集落を指す。限界を超えると人口、戸数がゼロになり「消滅集落」となる。過疎化現象の末路として80年代に問題提起され、その後2007年の参議院選挙で地域間格差の問題に絡んで再びクローズアップされた。そして国は過去7年間で191の集落が消えたと発表した。 高齢化→集落の限界→消滅。遂に過疎化も行きつくところまでいったかと、私もそう受け止めていた。ところが地域社会学者の著者は「消滅しそうな集落など、いったいどこにあるのか?」と意外な問題提起をしている。 著者は長い間常識ととらえられてきた「限界集落」というモデル自体に疑問を呈する。そして自らフィールド調査を行って、高齢化で共同生活に支障をきたして消滅に至った集落は実際には1件もないという調査結果を発表する。確か

  • 見て見ぬふりをする社会 - 情報考学 Passion For The Future

    ・見て見ぬふりをする社会 見て見ぬふりが破滅を引き起こす。エンロンの経営破綻、イラクのアブグレイブ刑務所の捕虜虐待、スペースシャトルチャレンジャーの打ち上げ失敗、BP社の製油所爆発事故など、大事故、大事件の関係者は危険を知っていたが、みな見て見ぬふりをしているうちに破綻に至っている。こうしたことは最近の日にも多い。福島原発の危険性も、オリンパスや大王製紙の不正も、当事者は見て見ぬふりをしていた。このは、大企業の役員会や、専門家の頭脳集団が、なぜそんな状態に陥ってしまうのかの研究だ。 世界で起きた大事故、大事件の背景に見て見ぬふりがあり、その原因として権威への服従、周囲への同化、傍観者効果、遠い距離、分業、極度の疲労、頑固な信念、倫理観の崩壊などがあるとし、それぞれ典型ケースを使って説明されている。組織文化や個の資質もあるが、私たちの脳にもひとつの原因があるらしい。 脳には愛によって活性

    shadow-toon
    shadow-toon 2012/01/16
    "現代は以前より選択肢自体は増えたのに、狭い好みを守るようになった。"
  • ヤバい統計学 - 情報考学 Passion For The Future

    ・ヤバい統計学 統計の失敗やウソを暴くのではなく、統計が正しく使われた成功事例を10のエピソードで解説する。統計学の成果を現実の社会に応用するには、難しい計算ができるだけではまったく不十分で、その数字が人間にもたらす心理効果や、実際の経済効果をよく考えなければならないということがよくわかる。 最初のエピソードはディズニーランドのファストパスは統計学の成功例だ。ファストパス発券によってアトラクションの待ち行列が短くなるわけではない。しかしファストパスにより「ディズニーのテーマパークでアトラクションを待つ行列は年々長くなっているにもかかわらず、出口調査によるとゲストの満足度は上昇し続けている。」そうである。 ファストパスの役割は待ち時間を短くすることではなかった。パスがあっても、アトラクションの収容能力は変わらないからだ。統計学的にはパスの真の機能はゲストの待ち時間のばらつきを排除することに