実家がある福島県(福島市)に帰って来ている。ここは今日本で最もホットな土地の一部。実家はいつもの通り穏やかで家の人も放射性物質が不安ではあるけれど、震災以降一週間ぐらいライフラインが止まった時の苦労話を笑い話のように語れるぐらいには余裕がある。近所には瓦が落ちて屋根にブルーシートがかけてある家(瓦不足と人手不足で修理ができないらしい)があり、道路に入った大きな亀裂は地震のすごさを物語っていた。 近所に住む91歳のおばあさんは、地震があってからコタツにあたりっぱなしで外にでてこなくなってしまったそうだ。地震の前はこのあたりでは一番元気なお年寄りで、働き者だったのに、と祖母は語る。一昨日は親戚の農家の方がウチに来ていた。祖父の従兄弟にあたるそのおじいさんは、良いものは全部東京に持っていかれて、福島には悪いものしか残らない。このあたりでは東京の悪口ばかりだ、とこぼしていた。苦笑するしかなかった。