「HSM(Hardware Security Module)が解析できた」---。ジム・イエーガー氏の一言に、セキュリティの専門家たちは凍りついた。10月26日から29日まで米ワシントンで開催された「CSI Annual Meeting 2010」における最大の驚きは、クラウドコンピューティングがもたらす莫大な計算能力は社会的脅威にもなりうるという事実だった(写真1)。 CSI(Computer Security Institute)は最古参のセキュリティに関するカンファレンスだ。2010年の会合は「第37回」と30年以上の歴史を誇る。企業ユーザーや政府当局者、コンサルタントなど米国を中心に各国のセキュリティ業界の有名人が集まる。今回は世界的な不況の影響もあり、参加者は300人と全盛期の半分以下だった。とはいえ、内容は充実していた。冒頭のクラウドがもたらす新しい脅威など、現在の米国が直面し
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