重症の脊髄損傷を負った犬が,鼻の粘膜にある特殊な細胞を使った治療で歩けるようになった。この細胞,嗅神経鞘細胞(OEC)は,神経細胞の一部を再生する能力があることが動物実験で示されており,脊髄損傷に対する治療効果について飼い犬を対象とした研究が行われた。同研究では,脊髄損傷のため歩く際に後ろ足を使えなくなった犬34匹を2群に分け,1群の損傷箇所に同一の犬の鼻に由来するOECを注射した。すると,OECの注射を受けなかった群と比べて大きく改善が見られ,麻痺していた後ろ足を前足と協調させて動かせるようになった。臨床では薬剤と理学療法との併用で使える可能性があるという。(吉田素子) First Randomised Controlled Trial to Show Spinal Cord Regeneration in Dogs Researchers have shown it is possib