8日午後4時20分ごろ、北海道苫小牧市真砂町の港湾物流会社「苫小牧埠頭(ふとう)」から「倉庫で作業員が倒れた」と119番通報があった。消防署員が作業員2人を救出したが、まもなく死亡が確認された。苫小牧署は、倉庫内が低酸素状態になっていたとみて調べている。 死亡したのは、同市植苗の同社員江村渉さん(34)と、同市日吉町、重機会社社員佐藤佑磨さん(24)。 同署によると、飼料袋のカビ取り作業などのために最初に倉庫に入った江村さんが出てこなくなり、続いて入った佐藤さんもすぐに倒れ込んだという。消防署員が現場の酸素濃度を計測したところ、約8%(空気中の酸素濃度は通常約21%)だったという。 同署によると、倉庫内には飼料として使うため、しょうゆ製造後の大豆の搾りかすが保管されていた。当初、倉庫の大型シャッターが開かなかったため、江村さんがシャッターを開けるため小さな出入り口から中に入ったという
電気設備工事大手「九電工」(福岡市)の社員だった福岡県内の男性(当時30)の自殺は過労が原因だとして、妻(34)や両親が同社に損害賠償など計約1億1900万円の支払いを求めた訴訟は9日、福岡高裁(古賀寛裁判長)で和解が成立した。九電工側が労働時間の管理の問題などが死亡の原因と認め、解決金約8千万円を遺族側に支払う。 遺族側の代理人で、過労死弁護団全国連絡会議代表幹事の松丸正弁護士によると、過労自殺をめぐる訴訟の解決金としては高額という。 一審・福岡地裁は自殺と過労の因果関係を認め、約9900万円の支払いを同社に命じていた。和解条項には、九電工側が「同種の事件が再発しないよう最大限努力する」ことも盛り込まれた。 男性の妻は会見し「和解はできたが、主人は帰ってこない。同じ遺族が増えないことを祈ります」と語った。 九電工は「あらためて哀悼の意を表する。今後、再発防止に向けて取り組む」との
乗客ら107人が死亡した2005年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故で、脱線した電車を運転していて死亡した高見隆二郎運転士(当時23)の遺族が天満労働基準監督署(大阪市北区)に申請していた労災が、7月下旬までに認められたことが9日、関係者の話でわかった。 労基署は、死亡は業務を行ったことによる災害にあたると判断した。会社側の過失が重大であると判断された場合には、遺族への給付額の最大3割を会社からペナルティーとして徴収できる。しかし今回、JR西日本の懲罰的な日勤教育や余裕のないダイヤなどがこれにあたるとするのは困難とみられる。 労災申請の期限は亡くなった日から5年。今年4月の期限を前に高見運転士の遺族が2月までに申請していた。
25日午前9時ごろ、名古屋市港区築三町2丁目の「共立マテリアル」の工場で、筒型の攪拌(かくはん)機の中で足場を組んでいたアルバイト佐々木一美さん(39)=愛知県岡崎市仁木町=と同県安城市のアルバイト男性(40)が、突然回り出したプロペラに巻き込まれた。佐々木さんは病院に運ばれたが出血性ショックで死亡し、男性は右足にけがをした。 港署の発表によると、佐々木さんらが、水と粘土を混ぜる攪拌機(直径2.8メートル、高さ3.2メートル)を清掃するため、足場を組んでいた際、攪拌機が突然稼働し、プロペラに巻き込まれたという。
大阪府和泉市でアスベスト(石綿)を使用した農業用機械部品製造販売会社「渡辺工業」の元社員、松本ケイ子さん(80)=同市=が石綿肺にかかったのは、同社が対策を怠ったのが原因だとして、松本さんと長女の西村ユキ子さん(63)が同社に計3630万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、大阪地裁であった。田中敦裁判長は、松本さんを介護する西村さんにも慰謝料100万円を認定。慰謝料など2人で計2400万円の支払いを命じた。 原告側弁護団によると、石綿被害など労災の訴訟で、生存する原告の家族の慰謝料まで認めた判決は異例という。「石綿被害者の家族が負う精神的・肉体的負担に配慮した判決だ」と評価している。 判決によると、松本さんは1962年に入社。84年まで計21年間工場に勤め、石綿を使ったクラッチの組み立てに携わった。06年、石綿肺と肺結核と診断後、ほぼ寝たきりになった。西村さんは管理職として会社に勤
爆発のあった「エコパークあぼし」 ヘリから爆発事故があった複合施設の工事現場=25日午前11時26分、兵庫県姫路市網干区、朝日新聞社ヘリから、山本裕之撮影爆発した健康増進センターの南側壁面=25日午後0時46分、兵庫県姫路市網干区網干浜、川田惇史撮影爆発事故があった複合施設の工事現場=25日午前11時23分、兵庫県姫路市網干区、朝日新聞社ヘリから、山本裕之撮影 25日午前9時20分ごろ、兵庫県姫路市網干区網干浜のごみ焼却施設などが入る複合施設「エコパークあぼし」の建設工事現場から、「爆発が起き、けが人が出ている」と119番通報があった。兵庫県警網干署によると、工事作業中の男性4人ががれきの下に一時生き埋めになり、うち男性1人が頭を強く打って意識不明の重体、3人がやけどや骨折などの重傷。このほか5人が軽傷を負った。 網干署によると、爆発したのは施設内で建設中の「健康増進センター」(鉄骨2
10日午前10時半ごろ、埼玉県日高市高萩の下水道工事現場の様子を見に来た市職員から、「マンホールを清掃中の作業員2人が意識がない」と119番通報があった。 飯能署などによると、2人は東京都大田区南馬込2丁目、下水清掃会社長藤森弘之さん(46)と、同区大森東5丁目、土木作業員高橋雅宏さん(51)で、病院に搬送されたが、死亡が確認された。地下約2メートルの下水道管の中で清掃作業をしていたという。同署は、作業中に酸欠状態になったとみて調べている。
日本マクドナルド(東京)に勤務していた長男(当時25歳)が急性心機能不全で死亡したのは過重な業務が原因として、母親が、遺族補償給付などを支給しない処分を取り消すよう国に求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。 渡辺弘裁判長は、「業務の過重な負担により病気を発症し死亡した」と述べて労災を認定し、不支給処分を取り消した。 判決によると、長男は1999年4月に同社に入社し、2000年6月から、川崎市内の店舗に勤務。同年11月7日正午から翌8日午前5時半まで働いた後、正午に再び出勤したが間もなく倒れ、死亡した。 判決は、「同社の業務形態は深夜勤務を含む不規則なもので、正社員はサービス残業が常態化していた」と指摘。病気を発症するまでの6か月間で、自宅でのパソコン作業も含め時間外労働が80時間を超えた月が相当あったと認定した。
爆発火災があった「日本カーリット」横浜工場=7日午後6時43分、横浜市金沢区福浦1丁目、朝日新聞社ヘリから、林敏行撮影 7日午後5時45分ごろ、横浜市金沢区福浦1丁目の化学メーカー「日本カーリット」横浜工場で爆発があり、工場や倉庫など計8棟が全焼したり壊れたりしたという。神奈川県警などによると、同社の男性従業員6人と、近くの勤務先に戻る途中だった同県横須賀市の男性会社員(34)ら2人の計8人がいずれも軽いけがをした。 〈関連動画〉横浜の化学工場で爆発 県警や同社によると、工場の終業時間は午後4時45分だったが、工場の敷地内には従業員が15人残っていたという。従業員以外のけが人は、工場のそばを走っていた車の運転手らで、割れた車のガラスでけがをした。爆発があったとみられる建物では、化学物質の「過塩素酸」を製造している。県警は業務上過失傷害の疑いもあるとみて、同社関係者から事情を聴き、爆
全国建設労働組合総連合(全建総連)系の「中央建設国民健康保険組合」(加入者約36万人、中建国保)が、仕事中のけがなどの治療費を、本人に全額自己負担させていることが朝日新聞社の調べで分かった。国民健康保険法は治療費の7割(現役世代の場合)を医療保険が支出するよう義務づけている。保険料を徴収する一方で、治療費を支払わないのは違法の可能性が高い。 中建国保には建設関連の自営業者らが加入し、2007年度には医療費の48%に相当する367億円の国庫補助を受けている。国保組合や市町村が運営する国民健康保険は、加入者が仕事中にけがをしたり病気になったりした時は治療費の7割分を支払うよう法律で定められている。 しかし、中建国保は支払う医療費の節約のため、仕事中のけがに対する治療費の支払いには応じていないという。 その一方、加入者には労災保険への特別加入を勧めている。労災保険は事業主が従業員の労働災害
生鮮食品などの激安商品を売りに大阪府内でスーパーを展開している「スーパー玉出」(本店・大阪市西成区)の東淀川店で、従業員18人に法定時間を超える労働をさせたなどとして、淀川労働基準監督署は3日、同社と同社社長(65)、同社元顧問の社会保険労務士(53)を労働基準法違反(長時間労働)などの容疑で大阪地検に書類送検した。従業員1人は長時間労働のため過労死したとして、労災認定されている。同社が同法違反容疑で立件されるのは初めて。 同署によると、同社は平成19年7月29日〜同9月29日の間、従業員18人に対し、労使協定を結ばないまま1カ月平均約120時間の時間外労働をさせるなどしたとしている。 このうち50代の女性従業員は同9月30日、同店で商品の陳列作業中、突然くも膜下出血を発症して倒れ、意識不明のまま約1カ月後に死亡した。死亡する直近2カ月間で、約280時間の時間外労働をしていた。 一方、社会
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