17日に参院法務委員会で可決された技能実習制度適正化法案の主な狙いは、外国人技能実習生の保護だ。日本の技術を伝える国際貢献の制度なのに、実習生が安い労働力として使われている現実がある。不当な低賃金や長時間労働の事例も後を絶たず、関係者は法案の効果をはかりかねている。 残業141時間、手帳に記録 今年2月、技能実習生のベトナム人女性(29)の手帳には「8→10h」の文字がびっしりと並んだ。岐阜県の零細縫製業者での労働時間を記録したものだ。 月曜から土曜までは午前8時~午後10時、日曜日は午前8時~午後6時。休日はなかった。余白にメモした「141」は、月の残業が141時間だったことを示している。 仕事は婦人服の縫製で、基本給は約11万8千円。日々の残業代は1時間目のみ905円。2時間目以降は1時間あたり550円で、最低賃金を下回っていた。休みなしで働いても月収は約15万円だった。 9月、実習生
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