グルコシノレートはアブラナ科(キャベツ,ブロッコリー,芥子菜など)やフウチョウソウ科[セイヨウフウチョウボク(ケッパー)]の植物に存在する含硫化合物です。グルコシノレートは主に脂肪族,芳香族,インドールの3つの型に分けられます。これらの型は異なるアミノ酸前駆体から合成されます。脂肪族型はアラニンやイソロイシン,ロイシン,メチオニン,バリン,芳香族型はフェニルアラニンやチロシンから,インドール型はトリプトファンからそれぞれ合成されます1)。 グルコシノレートは内在性の酵素であるミロシナーゼによって加水分解され,イソチオシアネートやチオシアネート,ニトリル,硫黄に分解されます2)。ベンジルイソチオシアネートはグルコトロペオリンの酵素的加水分解物で2,3), 抗がん剤として最も精力的に研究されているイソチオシアネートの一つです4-10)。 上記掲載の化合物はグルコトロペオリンカリウム(1)です。