人びとのための資本主義―市場と自由を取り戻す [単行本] 著者:ルイジ・ジンガレス 出版:エヌティティ出版 ★★★★☆ 資本主義やグローバリゼーションは、どこの国でもきらわれる。いまだに反原発デモが続く日本だけでなく、アメリカでもウォール街を占拠するデモが起こった。彼らの標的とするのが「官民癒着」であるのも似ているが、著者はこういう反市場ポピュリズムは問題を解決しないという。 国会事故調の報告書はregulatory captureが「メイド・イン・ジャパン」だと書いているが、本書を読めばわかるように、規制当局と業者のムラ的な構造は世界共通だ。その本場は著者の母国イタリアだが、これに対して左翼ポピュリストが「差別反対」などと称して反対運動を行なった。このためイタリアの大学入試は学力試験がほとんどなくなったが、その代わりコネ入学になった。絶望した著者は、母国を去ってアメリカに留学する。 そこ
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