ライター・編集者の速水健朗が時事ネタ、本、映画、音楽について語る人気ポッドキャスト番組『速水健朗のこれはニュースではない』との連動企画として最新回の話題をコラムとしてお届け。 第9回は、速水が出版社に勤めていた頃に出会ったとある同僚の話。 『速水健朗のこれはニュースではない』ポッドキャストはこちら 某有名ハリウッド映画の制作に関わっていたという男 大谷翔平とその水原通訳の話、この数ヶ月、ずっとメディアはその話を報じ続けている。その大半は、契約金の額やホームランの飛距離や本数の話。そして、借金の額やギャンブルで損をした金額の話である。こうした数字をいくら並べても、そこにはドラマは感じられない。 これはちょっと自分の身に起きたある出来事の話だ。 僕が25年くらい前に勤めていた出版社での話。当時の僕は雑誌の部署にいたが、4年目くらいのころに、社内で起ち上がったストリーミング配信の新規事業の部署に