「リンゴが上から落ちる」「当たると得点」−−。簡単な言葉でコンピューターに指示すれば、パズルゲームができてしまうプログラミングソフトの開発に取り組んでいる。肩書は世界唯一という「CHO」(チーフ・ホビー・オフィサー)。難しいイメージのあるプログラミングを、遊びとして楽しんでもらう仕掛け作りの責任者だ。 プラモデルメーカー、田宮模型(現タミヤ)で、モーター付き自動車模型「ミニ四駆」の普及を担った。「タミヤの前ちゃん」の愛称で雑誌やテレビにも登場。モーターを交換したり、車体に穴を開けて軽量化したりすれば、スピードが上がるといった、改造教室に子供たちは熱中した。「昔、ミニ四駆で遊び、車いじりの楽しさを知った」という現役カーエンジニアは、知っているだけで2人いる。「思いが伝わったかな」と頬を緩ませる。 ゲームの表現力やストーリー性にひかれ、94年にソフト会社に転職した。インターネット上で将棋などの