歴史修正主義者というのは「間違った歴史知識をもっている人」ではなく、政治的イデオロギーの一環としてことさら偽史を選び取った人ですからね。歴史修正主義にはレイシズムやセクシズム、あからさまな詐術などが随伴していますが、それらの根底にあるのは要するに「人間の尊厳に対するシニシズム」と「人間の知的営為に対する侮蔑」です。だからこそ、ある人間が「恃むに値する」人物であるかどうかを判断する際に、「歴史修正主義者であるか否か」「歴史修正主義に対して厳しい態度をとるか否か」という基準を採用するのは極めて合理的であるわけです。