高橋さんの新著です。シノドスでのレクチャーが元になっているようですが、バランスシートによる分析という一貫した視点は非常にわかりやすいですね。特に統一的な観点から主要な政策問題を、官僚や評論家たちの意見のどこが誤りなのか具体的に指摘できる点ですぐれています。あと余談ですが、ネットの匿名官僚批判もあり面白いです。 第1章は基本的なバランスシートの読み方のコツを伝授するところから始まり、政府のバランスシートそこにおける徴税権の意義などに注目しています。また過去の高橋さんの実務体験が紹介されていて、不良債権問題や政府のバランスシート作成やALMなどの重要な仕事にどれだけ貢献してきたかがわかりそれ自体面白いものだと思います。 第2章は、バランスシートを利用した「埋蔵金」の発見の話です。これに対して、財務省が「埋蔵借金」という噴飯ものの主張をしたり、特別会計の一般会計化がかえって財務省などに都合のいい