今年の春、マレーシアやタイの沿岸で漂流するボートから、数千人の難民が発見された。彼らの多くは、ミャンマーのイスラム系少数民族「ロヒンギャ」だ。当初、周辺国は受け入れを拒否。 そのため、しばらく放置された密航船からは死者も出て、「漂流する棺桶」と評された。 主に西部ラカイン州に住むロヒンギャは、19世紀からミャンマーで暮らしていると言われているが、独立以来、政府からは国民と認められていない。 「ベンガル系移民」として劣悪な環境の難民キャンプに住まわされ、国内にいる130万人のロヒンギャが無国籍の状態にある。 こうした過酷な状況に耐え切れず、大勢の人々がボートピープルとして脱出したが、これに何ら対策をとらないミャンマー政府に、国際的な非難が集中。