タグ

書評と戦争に関するshichiminのブックマーク (10)

  • 戦争が子どもを怪物に変える『ペインティッド・バード』

    戦争が子どもに襲いかかり、子どもが怪物に変わっていく話。人間が、いかに残酷になれるかを、嫌というほど教えてくれる。 あまりのグロさに「劇薬小説」として認定した『ペインテッド・バード』が映画になった。 ©2019 ALL RIGHTS RESERVED SILVER SCREEN ČESKÁ TELEVIZE EDUARD & MILADA KUCERA DIRECTORY FILMS ROZHLAS A TELEVÍZIA SLOVENSKA CERTICON GROUP INNOGY PUBRES RICHARD KAUCKÝ 小説は、エグいのに目が離せない、手が離れない、強い吸引力をもつ。TIMES誌の「英語で書かれた小説ベスト100」に選ばれている。 読む地獄 戦争は大衆を襲う狂気だ。身寄りを失った10歳の男の子が向かう疎開先の人々は皆、能に忠実だ。むきだしの情欲や嗜虐性が、目を逸

    戦争が子どもを怪物に変える『ペインティッド・バード』
  • 人類を平等にするのは戦争『暴力と不平等の人類史』

    貧富の差は拡大する一方。一向に格差の是正が進む気配はない。 日に限った話ではない。北米、南米、中国、東南アジア、アフリカ……世界中、至るところで格差は絶賛拡大中だ。格差の拡大は、人類社会の宿命なのだろうか? 古今東西の不平等の歴史を分析した、ウォルター・シャイデル『暴力と不平等の人類史』を読むと、これは事実ではないことが分かる。たしかに貧富の不平等はあるが、これを一掃する平等化が果たされる。人類の歴史は、不平等の歴史でもあるが、平等化の歴史でもあるのだ。 書の目的は、この平等化のメカニズムを解明するところにある。データと史料とエビデンスでもって緻密に徹底的に分析する。 不平等のメカニズム まず著者は、不平等は人間社会の基的特徴だという。人類が糧生産を始め、定住化と国家形成を行い、さらに世襲財産権を認めて以降、不平等が進むのは既定の事実だと述べる。なんとなくそうではなかろうかで済ませ

    人類を平等にするのは戦争『暴力と不平等の人類史』
  • 『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』 未来を知らない十二月八日の言葉 - HONZ

    意表を突かれた。企画も内容も構成も、見事という他ないだ。毎年、終戦の日にむけて様々なが出版されるが、とりわけ異彩を放つである。書を手にしてはじめて私は、「開戦を人々がどう受け止めたのか」という個々の情報が、ごっそり抜けおちていたことに気づいた。 ものすごく解放感がありました。パーッと天地が開けたほどの解放感でした。 (書11頁、吉隆明、原典:三交社『吉隆明が語る戦後55年・5』) 僕の命も捧げねばならぬ。一歩たりとも、敵をわが国土に入れてはならぬ。 (書45頁、坂口安吾、原典:筑摩書房「真珠」『坂口安吾全集03』) 書は、太平洋戦争勃発時の知識人・著名人の反応を日記や回想録から抜き出した、アンソロジーである。さぞかし重苦しい空気なのかと思いきや、むしろその逆だった。戦争を歓迎する言葉が多いのである。知識人にして、そうなのだ。「一般人は?」と考えずにはいられなかった。 その

    『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』 未来を知らない十二月八日の言葉 - HONZ
  • 1945年の『終わらざる夏』 ~8月15日に戦争は終わっていなかった:日経ビジネスオンライン

    猛暑、いかがおすごしでしょうか? ワタシはひどい多汗症で、冷房のきいた電車に乗っていても、背中のあたりがびっしょびしょ。シートが汗でぬれてしまうので、空いた席に座るのもはばかられ、憂です。そんな悩みって、65年前の人たちもしていたんだろうか? 悩んでますなんていうと、当時の人たちからしたら、ゼイタクって言われそうですが……。 今年もまたやってきた、8月15日。さて、何の日? 「終戦記念日」だと、多くの方はお答えになるでしょう。しかし、この日から3日後に、千島列島北端の小さな島で、激戦が始まったなんてことを知っている人はどれぐらいいるのだろうか? ワタシはこので初めて知ったわけですが。 終戦後に始まった日ソの戦闘 日の無条件降伏直前に、ソ連軍が満州や樺太にドサクサで攻め込んだことは知られていても、千島のこの小島での戦闘については、どうして多くの日人が知らないままに過ぎてきたのか。 守

    1945年の『終わらざる夏』 ~8月15日に戦争は終わっていなかった:日経ビジネスオンライン
  • [書評]ぼくは日本兵だった(J・B・ハリス): 極東ブログ

    先日トゥイッターで、蛍雪時代、ラ講、百万人の英語といった話を少しして、「そういえば、J・B・ハリス先生は日人」という話を投げたら、驚かれた人がいた。2004年にお亡くなりなったJ・B・ハリス先生の国籍は日。戸籍名は平柳秀夫である。しかし、ハリス先生は産まれたときの英国籍の名前、James Bernard Harrisを自身のアイデンティティーとされていた。 英国人を父、日人を母として1916(大正5)年9月4日、神戸に生まれ、ほどなく横浜に転居しそこで育った。震災後は米国に移り暮らし、12歳で日に戻った。ジャーナリストであった父、Arthur Montague Harrisは、1933年、肺炎がもとで死去した。46歳だった。ハリス先生は当時16歳。残された母子は日国籍を選び、このとき「平柳秀夫」となった。日語は話せるものの漢字などは十分に読めず、軍人訓などを暗唱させられる兵役で

  • 誠実なる無回答 - 画評 - この世界の片隅に : 404 Blog Not Found

    2009年08月06日18:00 カテゴリ書評/画評/品評Love 誠実なる無回答 - 画評 - この世界の片隅に この世界の片隅に(上中下) こうの史代 「夕凪の街 桜の国」を読了したとき、あの戦争を描いた漫画で、あれ以上の傑作はありえないだろうと思ったが、私が間違っていた。 こうの史代を超えたのは、こうの史代だった。 作「この世界の片隅に」の主題は、実は戦争でもなく、死でもない。そこにおける戦争の描写も死の描写も見事ではあるけど、戦争は背景であり、死は出来事である。 「答えろ」という質問、いや暴力に対する、誠実な返答なのだ。 そしてその答えは、「答えられませんでした」というもの。 答えになっていない。 それこそが正解。 こうの史代作品には、オチがない。それも「さよなら絶望先生」のように、それ自体がネタになっているからオチがないわけではない。ましてや描くための手間ひまも能力もないからで

    誠実なる無回答 - 画評 - この世界の片隅に : 404 Blog Not Found
  • 10ドルの大量破壊兵器「AK-47」がもたらした世界

    「こうと分かっていれば、自分は時計職人にでもなるべきだった」 アインシュタインのこの言葉を思い出す。自分の研究の"成果"である原子爆弾がもたらした惨事を知ったときのセリフだ。ミハイル・カラシニコフは、自分がつくったAK-47について、こう語っている。 「わたしは自分の発明を誇りに思っている。しかし、それがテロリストたちに使われているのが哀しい。人びとが使えて、農民の助けになるような機械を発明すればよかった。たとえば芝刈り機のようなものを」 単純な構造のため誰でも扱え、めったに故障せず、きわめて安価なアサルト・ライフルAK-47。この突撃銃は、戦争の形態から世界のパワーバランスまで変えてきた。累計一億挺以上つくられてきたAKの構造と、世界に蔓延していく様を、(悪い意味での)ジャーナリスティックに描いている。「アフリカクレジットカード」と呼ばれるほどコモディティ化しており、人類史上最も人を殺

    10ドルの大量破壊兵器「AK-47」がもたらした世界
  • 『豚と真珠湾 幻の八重山共和国』斎藤憐(而立書房) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 舞台は、1945年11月の沖縄の石垣港近くの料亭で始まる。登場人物は、「サカナヤー(料理屋)「オモト」の主人」「武部隊。海南新報記者」「小学校教師」「中学校の歴史の教師」「密貿易業者」「台湾人の元暁部隊隊員」「日系二世の兵士・通訳」「戦災孤児」「海人」「予科練あがりの特攻隊員」「警察官」「戦災孤老」などで、これらの人びとの口を通して、沖縄の歴史、沖縄と土の関係、沖縄島と八重山諸島の関係、八重山諸島の歴史文化が語られる。多少八重山諸島のことを知っている者なら、よくぞここまで凝縮して語ることができるものだと感心してしまう。しかし、知らない者には、ちんぷんかんぷんの別世界のお話だろう。 主題の「豚と真珠湾」は、ハワイに移住した沖縄人が、豚を飼う野蛮人だといわれてバカにされたところからきている。副題の「八重山共和国」は、終戦後マラリアが蔓延するなか無政府状態に陥った八重

    『豚と真珠湾 幻の八重山共和国』斎藤憐(而立書房) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 「希望は、戦争」?こちらをどうぞ! - 書評 - ルポ 貧困大国アメリカ : 404 Blog Not Found

    2008年03月31日00:15 カテゴリ書評/画評/品評Value 2.0 「希望は、戦争」?こちらをどうぞ! - 書評 - ルポ 貧困大国アメリカ たとえば「ワーキングプア」を読んで、日が格差社会であると思っている方は、書を読んでその認識を新たにせざるを得ないだろう。 ルポ 貧困大国アメリカ 堤未果 ソーシャルブックマークをお使いの方は、[これはひどい][これはすごい]タグのご準備を。 書「ルポ 貧困大国アメリカ」は、超大国アメリカが、貧困の面でも超大国であることを克明に伝えた一冊。私はかの地に住んでいたこともあり、そこに行く回数も少なくないのである程度知っているつもりであったが、それが「つもり」でしかなかったことを改めて認識させられた。 目次 - 岩波新書 ルポ 貧困大国アメリカより プロローグ 第1章 貧困が生み出す肥満国民 新自由主義登場によって失われたアメリカの中流家庭

    「希望は、戦争」?こちらをどうぞ! - 書評 - ルポ 貧困大国アメリカ : 404 Blog Not Found
  • 古典x古典=斬新 - 書評 - 戦争の経済学 : 404 Blog Not Found

    2008年01月09日08:30 カテゴリ書評/画評/品評Money 古典x古典=斬新 - 書評 - 戦争経済学 実に面白くかつ役に立つ一冊。 戦争経済学 Paul Poast / 山形浩生訳 [原著:The Economics of War] 書の一番の「難点」は、「戦争」と「金」の組み合わせが面白く役に立つことそのものかも知れない。この片方だけを見ただけで理性が吹っ飛ぶ人も少なくないのに、書はそのコンボである。 しかし、そういう人こそ、書を読んで欲しい。その方が平和により近い道なのだから。少なくとも東国原英夫と赤木智弘の両名は必読である(笑)。 書「戦争経済学」は、戦争経済学を通して学ぶと同時に、戦争を通して経済学を学ぶである。 目次 謝辞 序文 第一部 戦争の経済効果 第1章 戦争経済の理論 第2章 実際の戦争経済:アメリカ戦争 ケーススタディ 第二部 軍隊の経済

    古典x古典=斬新 - 書評 - 戦争の経済学 : 404 Blog Not Found
  • 1