マーシャル諸島のビキニ環礁。核実験でサンゴ礁の中に巨大なクレーターができた(1980年代半ば、読売機より撮影) 【パリ支局】国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)は1日、冷戦時代に核実験が繰り返された太平洋・マーシャル諸島の「ビキニ環礁」を世界遺産(文化遺産)に登録したと発表した。 遺産委員会は、「ビキニ環礁は核実験の威力を伝えるうえで極めて重要な証拠」と指摘したうえで、「人類が核の時代に入ったことを象徴している」と、決定理由を明らかにした。 ビキニ環礁などでは、米国が1946〜58年、67回の核実験を実施した。54年3月に行われた水爆実験では、近くで操業していた日本のマグロ漁船「第五福竜丸」の船員23人全員が被曝(ひばく)した。 ユネスコによると、マーシャル諸島からの世界遺産登録は初めて。核兵器被害を伝える世界遺産としては、96年に登録された「広島平和記念碑」(原爆ドーム)がある。