「花」には、「花をたてる」「花をいれる」「花をいける」という三つの概念があります。 第2回では、「花をいれる」ことについて川瀬さんにお伺いしました。それは、自然の素のままの姿形を損うことなく「いれる」ことが尊重され、「なげいれ」と呼ばれています。 心にとまった花をさっと掴み、生命の源である水に放つように器に「いれる」ことは、「人間の作意を超えた」、「花の意志」が自然と息づくとともに、自ずとその人の「こころ」が浮び上がってきます。 日本人は花との長いつき合いを通じて、もの言わぬ花をその姿形のまま生かすことが、最も多くの真実を語ることをよく知っていたのです。 木下真理子(書家) 人間本位により「いける」 木下:では、「花をたてる」、「花をいれる」に続いて、三つ目の「花をいける」ということについて教えてください。 一般的に「いけばな」と呼ばれているものには、そのイメージとして、独創的、造形的なも