第2回:「第1世代の発電設備で効率を上げる、高温・高圧・高湿の限界まで」 現在のところ商用レベルの火力発電で最高の効率を発揮するのは、LNG(液化天然ガス)を燃料に使って「複合発電」を実施する方法だ。複合発電は通常のガスタービンに加えて蒸気タービンでも発電機を回して、より大きな電力を作り出す。ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせて2回のサイクルで発電することから、「ガスタービンコンバインドサイクル(GTCC)」と呼ぶ(図1)。 GTCCは第2世代の火力発電技術のベースになる。第1世代との違いはガスタービンで発電するのと同時に、燃焼時の排熱を利用して蒸気を作り出す点にある。その蒸気を使って蒸気タービンでも発電することで、同じ量の燃料でも多くの電力を作ることができるわけだ。第1世代のLNG火力の標準的な発電効率は38%程度だが、GTCCは現時点でも52%程度の発電効率を上げている。 このGT