■働きたくても働けないケースもある 配偶者控除自体は、妻が家庭内で家事や養育などの役割の中心となり、夫の収入の獲得に大きな貢献をしているという「内助の功」を評価して’61年に設立されたもの。 しかし、國學院大學経済学部の水無田気流教授(社会学)は、若い世代では今後これらの制度の恩恵を受けない世帯も増えると語る。 「この制度自体は“サラリーマンの夫の収入が十分にあり、妻は家計の補助的に働く”という戦後に確立した家計モデルが前提。ただ、現在でも女性では非正規雇用が多数派なのは、正規雇用での就業と家事、育児、介護などの両立が困難だからです。 さらに若年層の総体的な賃金水準の低下により、30代の男性の収入は、’97年には500万円台の人が最も多かったのが、’07年には300万円台が最多に。今後は、共働きで“壁”を考えずに働かなければ家計を維持できない世帯の増加が見込まれます」 その一方で、水無田氏
赤ちゃんの愛らしい映像から始まるCM。「人間は生まれてくるときは選べないから、死ぬときぐらいは選べたらいいだろうな」と笑顔で語る女性にかぶせるように「『プラン75』は、75歳以上の方なら、どなたでも無料でご利用いただけます」という優しげなナレーションが流れる。テレビのニュースでは「『プラン75』が国会で成立しました。日本の高齢化問題の解決の糸口になると期待されています」と伝えている。映画『PLAN 75』のシーンだ。まるで現実のように展開されるこれらのシーンに戦慄する。 「75歳になったら生死を選べる」制度の劇中CMと、倍賞千恵子さん。老年を演じる女優の静かな存在感に打たれる 「本当にありそう」な、日本のこれから 映画で描かれる「プラン」は、75歳以上の人が死を希望したら、国の支援のもとで安らかな最期を迎えられるという、国の「制度」だ。物語の中盤で、倍賞千恵子さんが演じる78歳の独居女性・
米ロサンゼルスで行われた女子W杯優勝を祝うイベントで、サッカー選手の男女同額の賞金支払いを求めるプラカードを手にするファン(2015年7月7日撮影、資料写真)。(c)ROBYN BECK / AFP 【5月19日 AFP】米国サッカー連盟(USSF)は18日、同国代表チームが男女ともに同額の賃金や賞金などを受け取ることを定めた労働協約で合意したと発表した。女子選手は長年にわたり報酬格差の是正を求めており、今回の合意は「歴史的」とたたえられている。 W杯(World Cup)で国際サッカー連盟(FIFA)から支払われる賞金には男女チーム間で格差があるが、米代表の賞金は回収された上で分配される。W杯の賞金を均等に分配する決定をした連盟は世界初。 さらに、W杯を含むすべての大会で男女チームに同額の報酬を支払い、商業収益を均等に分配する仕組みも導入。W杯以外の賞金は、両チームが同じ大会に出場した場
前回は、高齢女性の貧困率がほかの年齢層や男性の貧困率から突出して高いことを指摘しました。65歳以上の女性の貧困率は、22.3%。5人に1人が貧困状態なのです。 しかし、この数値はどのような家族構成の女性でもすべて含んでいます。つまり、まだ配偶者が健在な方も、成人した子どもと同居している方も含まれるわけです。貧困率は、世帯の人の合算所得で計算しますから、そのような方々の貧困率はそれほど高いわけではありません。際立って高いのは、一人暮らしの女性です。図1をご覧ください。一人暮らしの女性の貧困率は、勤労世代(20~64歳)においても29.2%と、ひとり親世帯を除くほかの世帯タイプに比べて突出して高く、高齢期では50%に近くなります。 考えてみれば、女性の多くは、いつかは一人暮らしとなる確率が高いです。未婚のまま一生過ごす人や、離婚する人も増えていますし、結婚していても、夫の方が妻よりも年上の場合
<コロナ禍、あらゆる産業が大打撃を受けている。世界一の経済大国・アメリカも例外ではないが、他の産業と比べて、その現実に光が当たらないのが性産業だ。ノンフィクション作家の林壮一氏が、コロナ禍を生きるアメリカの性産業従事者のいまを追った――。> 【画像】性産業に従事するアメリカの女性たち ◆年収は5分の1に ラスベガスから西に128.7キロメートル。パーランプという地にある975.4平方メートルの建物が、120万ドルで売りに出された。 建物の名は「LOVE RANCH」。15の部屋がある、かつての売春宿だ。パーランプはネバダ州の市の一つだが、同州は16のカウンティ―に分けられ、そのうちの10箇所が売春宿の経営を合法としている。 2015年10月13日、元NBAのスター選手、ラマー・オドムが、このLOVE RANCHで意識不明の重体に陥った。オドムは3日前から当地に滞在し、コカインを使用しながら
3年も働いてきたのに、シフトが入っていなかったことで契約はないことになるのか、と驚いた。同僚には学費や生活費を稼ぎ出していた学生バイトもいて、こうした計算方法によって3000円程度しか支給されず、途方に暮れていた。 5月も収入ゼロが続いた。いつ戻るかわからないシフトの復活を待って、食費を切り詰め、貯金を取り崩して生活を続けた。政府の緊急小口資金貸付の利用も考えたが、借金が増えたら怖いと二の足を踏んだ。悩んだ末に6月、ネットで知った個人加盟の労組に駆け込んで会社と交渉し、シフトはようやく復活した。だが週3日、1日4時間に縮められ、収入は半分近くに減った。会社が休業手当を申請してくれないときに個人で申請できる休業支援金も始まったが、伊藤らが働く大手企業は対象外だった。 2021年1月、その店舗が閉店し、他の店舗での仕事を紹介された。移った先の店舗では、仕事の確保は正社員が優先され、週1~2回、
社員の休業手当には雇用調整助成金(雇調金)が活用されている。「週1回」という首の皮1枚のシフトは、シフトをゼロにして「解雇」とみなされれば雇調金が認められなくなる恐れがあるからだ、との見方も社内には流れていた。 また、会社は上場を目指しており、そのための融資の条件として銀行から人件費削減要求が出ているとも言われていた。パートの休業手当を増やせば、経理上このコストが膨らむ。それを警戒している、というのだった。 週1のシフト労働の山田に、休業している正社員の分の仕事が集中した。昼休みが取れなくなり、残業の日も増えた。転職も、子育て女性は敬遠されがちで壁が厚い。 野村総研は2021年2月、山田のような「シフトが5割以上減少かつ休業手当を受け取っていない人」を「実質的失業者」と定義して推計したところ、全国の実質的失業者は女性で103.1万人(男性43.4万人)に上った。 総務省の「労働力調査」によ
就職氷河期に就活をしたロスジェネ世代の中には、非正規雇用などで収入が不安定なまま歳を重ねている女性も少なくありません。ジェンダー問題の研究者である田中俊之さんは「今は未婚化や晩婚化も進んでいますから、男だから女だからではなく、一人ひとりが自分で自分を養えるだけの収入を得られる社会にしていかなければなりません」といいます──。 今から正社員になっても間に合わない 10月に朝日新聞デジタルから配信された「ロスジェネ単身女性の老後 半数以上が生活保護レベル 自助手遅れ」(2021年10月14日)という記事は、非常に衝撃的な内容でした。記事によれば、現在40~50歳ぐらいのロスジェネ世代の独身女性は、その大半が老後に貧困化するというのです。 ここで言う「独身」には、未婚の女性も夫と離別した女性も含まれます。いずれであっても、現段階での仕事が非正規雇用の場合、たとえ今から正社員になったとしても貧困化
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子育て後、同じ企業に戻れた場合でも、女性は「勤続年数が短くなるので、年功序列制の残っている現状では、賃金は低くなる」。さらに「子育て後に他の企業に移った場合でも、新しいスタートとなるので、賃金は低くなる」という厳しい現実が待ち受けています。 また、男女間の賃金格差は“非正規労働”という働き方とも深く関与。企業は正規労働者よりもコスパの良い働き手として、非正規労働者の数を増やしてきましたが、その大半は女性でした。橘木さんは「既婚女性の中には、パートタイムなどの労働を望む人もいるので、差別でない側面も多少はあるが、非正規女性労働の存在は(男女間の賃金格差に)影響している」と語ります。 非正規社員は、正規より年収が60%も低い コロナ禍の不況では、女性の非正規労働者が深刻な状況に置かれたことも問題となりました。そこで、正規と非正規の格差の実態についても本書から見ていきます。 ここでいう正規社員と
経済的な理由で生理用品を買えない「生理の貧困」に悩む女性が、中国地方でも少なくない。コロナ禍で収入が減って深刻化し、NPO法人などが生理用品を無償配布する動きも出ている。若者の5人に1人が購入に苦労したとの調査もあり、悲痛な声が聞こえてくる。 【調査結果】若者の約3割が「生理用品ではないものを使った」 4月下旬、笠岡市であった一人親や貧困家庭向けの物資の配布会。小学生2人を育てるシングルマザー(30)が食品とともに受け取ったのは、生理用のナプキンだ。女性は「本当に助かります」と笑顔を見せた。「私の収入ではナプキンにまで手が回らなくて。1袋数百円でも捻出するのは大変」と打ち明けた。 コロナ禍でパートを減らされ、収入は半減した。母子手当を含めても月10万円ほどだ。生理用品はいつも特売品。夜用の大きめのものは高いので買うのを控え、出血が多い日は前後に二つ並べて使ってしのぐ。節約のため、長時間同じ
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