日本の大学教員は研究時間をなぜ取れない? 給料が教育とそれに伴う雑用への対価として支払われる制度が問題だ 佐藤匠徳 生命科学者、ERATO佐藤ライブ予測制御プロジェクト研究総括 「新小1のなりたい職業で研究者が上昇し過去最高に」というニュースが先日流れた。これ自体は「研究者を職業としている」筆者にとって喜ばしいことだ。一方、研究者を志望して目をキラキラと輝かせている子供たちが数十年後にどうなっているかを想像すると、残念なことにあまり輝かしい姿が想像できない。 それは、そういった子供たちが成長し、研究を思う存分やってノーベル賞を取るぞと意気込んで研究職を得たとしても、大学教員になった途端、その夢はシャボン玉のごとく弾けて消え去るのが目に見えているからだ。大学に所属する若手研究者の多くが、いつの間にか研究に使える時間は皆無あるいは雀の涙程度になり、ほとんどの時間は学生の教育、学生の悩み事相談、