決してレベルの低くない国立大学に入学したものの、うまく立ち回ることができずに中退した。3年前の話である。 実家に戻ることはせず、フリータとしてアルバイトをした。夜勤中心の生活は楽ではなかった。 最終学歴が大学中退ではフリータでい続けるしかないと、1年後、通信制の短大に入学した。簿記の勉強をして、6月の試験で2級の資格を取った。簿記2級を武器にいくつか会計関係の採用に応募してみたが、ダメだった。大学中退とは、社会性に欠け、体力がなく、努力が足りないことを示しているのだ。否定はできなかった。 それでもあきらめずにハローワークに通ったのがよかった。12月に受けた派遣会社で、希望していた仕事ではないものの、職を得た。ちょうど前任者が翌月に辞めることが決まっていて急いで後任を探さなくてはいけない状況だった。運がよかった。週3日の勤務で、仕事から得るものはほとんどなかったが、とにかく社会経験ができるの