年の瀬が押し迫った昨年12月30日、鳩山由紀夫首相は官邸で緊急記者会見を開き、「輝きのある日本へ」と副題を付けた、夢と期待が膨らみそうな「新成長戦略」を公表した。 この戦略は本文が29ページに及ぶ国家計画で、2020年までに環境、健康、観光の3分野で100兆円の需要を創造し、これによって、400万人の新規雇用を創出するとの目標を掲げている。 まことに野心的な国家戦略だが、果たして、本当に実現するのだろうか。 本当に成長が可能ならば これほど喜ばしいことはないが… まず、首相と政府の見解を説明しよう。 この日の記者会見を、鳩山首相は「(今日は)日本の未来を予感していただく1日になろうかと思います」という言葉で始めた。そういいながら、誇らしげに大きく胸を張って見せたのだ。 次いで、自民党政権時代の成長戦略について、「いままで成長戦略がいくつも出来ていたけれども、それが機能しなかった」とばっさり