神奈川県の東名高速で2017年6月、あおり運転の末に夫妻を事故で死亡させたなどとして、危険運転致死傷などの罪に問われた石橋和歩(かずほ)被告(27)の控訴審判決で、東京高裁(朝山芳史裁判長)は6日、同罪の成立を認めて懲役18年(求刑懲役23年)とした一審判決を破棄し、審理を横浜地裁に差し戻した。 【写真】「あおり運転」から事故が起きるまでの経緯 朝山裁判長は同罪の成立を認めつつも、一審の公判前整理手続きで裁判官が「同罪は認められない」と表明しておきながら、判決で認めたのは弁護側に対する不意打ちにあたると指摘。手続きに違法があると判断した。 この事件では、警察が過失運転致死傷(懲役7年以下)の疑いで石橋被告を逮捕したが、検察は法定刑がより重く適用ハードルの高い危険運転致死傷罪(懲役1~20年)で起訴。事故は石橋被告が車を停車させた時に起きており、危険運転に問えるのかが大きな争点になっていた。