ナショナリズムには、一般論的な善悪論より、今日ではその歴史性把握の方が重要だと思うよね。 つまり、日本では幕藩体制として存続した前近代国家的な封建社会に芽生えた統一国家願望や、植民地支配を伴った帝国主義論的時代の民族自決=国家的独立願望、こういった形でのナショナリズムの誕生は歴史段階的に不可避だったし正当性もあったんじゃないかな。 つまり、徳川幕藩体制によって分断されていた列島居住民族が統一される過程において発揚されるナショナリズムや、日本帝国主義の支配から抜け出そうと朝鮮半島や中国で民衆が掲げたナショナリズム。 しかし、こういうのは、いずれも過去の事ですよね。人類社会が既に乗り越えた歴史段階。 結局、かつて正当性をもっていたことが正当性を失って行くというのも、人類の歴史なんだよね。 ナショナリズムも、既に賞味期限切れでカビ臭さが漂っている。 ナショナリズムを全て否定するのは間違いです。