2015年12月の電通社員、高橋まつりさんの過労自殺から、昨年12月の石井直社長辞任表明を通して、日本の労働環境は海外でも大々的に取り上げられた。過労死が死因として認められる国、日本」を見つめる欧米諸国の反応と、海外の過労死・過労自殺についてまとめてみた。 「ワーカホリックは日本の企業文化」 電通の過労自殺事件は日本国内はもちろん、海外にも大きな衝撃を走らせた。長年にわたり「ワーカホリック(仕事中毒)国」としてのイメージが定着していた日本だが、一部では「日本人は自発的に長時間労働に励んでいる」という曲解が生じていた。 今回の事件は日本に根付く労働環境の中核に、労働者を長時間勤務に追いこむ企業文化の影があることを、他国に広く知らしめるきっかけとなった印象を受ける。「日本人は働くのが本当に好きだね」という賞賛とも皮肉ともつかない視点から、「日本人は働かないと駄目だものね」という同情まじりの見方
約束の時間を30分ほど過ぎた頃、マサヤさん(仮名、55歳)が現れた。席に着くなり手渡されたのは、ずっしりと重い黒の手提げかばん。かばんの中には、かつてフリーライターとして活躍した頃に手掛けた署名記事が載った雑誌や、自身の略歴などをまとめた分厚い資料が詰め込まれていた。 「これがあれば私のことがわかってもらえると思って」。屈託のない笑顔でそう言った。 バブル景気真っただ中、週刊誌契約記者として働く 秋田県出身。幼い頃から読書好きで物書きになりたかった。両親と折り合いが悪く、高校卒業後は東京の私大の夜間部に進み、昼間は働いて学費と生活費を稼いだ。しかし、無理がたたったのか一時的にうつ状態に。回復した後、「物書きになるのに、大学卒業の資格はいらない」と思いたち、授業料を払うのをやめたという。 その後、編集関係の専門学校を卒業。月刊誌や業界紙の編集に携わったり、フリージャーナリストのデータマンをす
■日本に包摂しないというスタンス 公認候補に承諾を求める「政策協定書」に「外国人の地方参政権付与に反対」という項目があったことが、排外主義的な性格を露わにしたと指摘されていた希望の党が6日、衆院選の公約・政策集を発表した。 公約・政策集にはこれについての項目は盛り込まれなかった。批判を受けて取り下げたという見方もあるが、筆者はそうは思わない。現在の争点ではない象徴的なものであるだけに、あれはむしろ純粋に思想チェック、正しく踏み絵だったのだろうと思う。 一方、発表された9つの公約のうちの6番目は「ダイバーシティ社会の実現」だ。都知事選のときと違って「性別、性的指向、年齢、人種、障害の有無等に関わらず、すべての人が輝ける社会を目指します」と、「人種」も含む包括的な定義がされている。さらに政策集には、「LGBTの差別禁止法の制定」とともに「ヘイトスピーチを含む人種など差別禁止法の制定」を盛り込ん
さわだ・ひでお/1951年生まれ。大阪府出身。73年、旧西ドイツ・マインツ大学に留学。80年、インターナショナルツアーズを設立。90年、エイチ・アイ・エスに商号変更。2004年、社長から会長に。10年ハウステンボス社長。16年よりエイチ・アイ・エス社長に復帰。現職。 今月の主筆 エイチ・アイ・エス会長兼社長/ハウステンボス社長 澤田秀雄 1980年にエイチ・アイ・エスの前身であるインターナショナルツアーズを創業、その後96年にスカイマークエアラインズ(現スカイマーク)を設立し、2010年からはハウステンボス再建を手掛けた澤田秀雄氏。起業家として、再生請負人として、経営の現場で経験してきた数々の「失敗」と「再生」について語る。 バックナンバー一覧 エイチ・アイ・エス(H.I.S.)は2010年に長崎県佐世保市のテーマパーク、ハウステンボスを買収して再建に乗り出した。旅行会社によるテーマパーク
フランス南部で海水浴を楽しむ人々。オゾン層に守られていなければ、こうした行楽も危険度が大きく増してしまう。(PHOTOGRAPH BY BERTRAND LANGLOIS, AFP, GETTY IMAGES) 米国をはじめとする工業国が、その議定書に署名したのは今から30年前、1987年のことだった。議定書の名は、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」。 30年の節目を祝うに当たりアントニオ・グテレス国連事務総長は、モントリオール議定書が人々の健康、貧困の撲滅、気候変動、食物連鎖の保護にプラスの影響を与えたことを強調。「すべての人々と地球のためのマイルストーン」になったと述べた。(参考記事:「オゾン層が回復傾向に、国際協定の効果」) モントリオール議定書がなければ、地球のオゾン層は2050年までに崩壊し、破滅的な結果を生んだとする研究報告がある。その世界では、真夏のワシン
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