1年を振り返るこの時期、恒例の流行語大賞が発表され、大賞には「爆買い」と「トリプルスリー」が選ばれたが、一方で「アベ政治を許さない」「SEALDs」といった安全保障法案関連の言葉も目立った。 その安保法案は今年9月、強行採決され成立した。日本は集団的自衛権を行使しうる国になったわけだが、一連の法案審理の過程でまったく議論されなかった問題がある。「二重国籍者」と「偽装日本人」の問題だ。 一般にはあまり知られていないが、日本の国籍と他国の国籍を同時に持っている、いわゆる二重国籍者の数は、推定で40~50万人と言われ、年々増加の一途をたどっている。 もしも海外の紛争地帯で取り残され、救出が必要な人物が、日本国籍と敵国の両方の国籍を持っていた場合、この人物を「邦人」として救出するために、日本は集団的自衛権を発動するのだろうか。外国から攻撃を受けているアメリカの艦隊に、日本に生活基盤がない日米二重国