経済的に貧困状態にある妊婦は、糖尿病や性感染症を患っている割合が高く、おなかの子に健康被害が生じる危険性があることが、千鳥橋病院(福岡市博多区)など5病院の共同調査で明らかになった。食の偏りや予防接種を受けないなど、貧困と幼児期に関する調査は行われているが、胎児期から影響を及ぼしていることを示したデータはほとんどない。関係者は、妊娠初期からの早期支援の必要性を訴えている。 調査は2014年4月~15年3月、千鳥橋のほか、あおもり協立(青森市)▽川崎協同(川崎市)▽耳原総合(堺市)▽沖縄協同(那覇市)の各病院で、出産した母親1290人と担当医を対象に実施。このうち収入が判明した677組を、国の基準に当てはめ、貧困群(293世帯)と非貧困群(384世帯)に分けて比較した。 その結果、妊娠時に糖尿病や予備軍の耐糖能異常と診断されたのが非貧困群2・8%に対し、貧困群は5・4%と割合が高かった。貧血