幹部社員ら4人がスパイ容疑などで中国当局に拘束されたリオ・ティント社の上海事務所=AP中国当局に拘束されたリオ社のフー氏。ロイター通信が入手したもので、撮影時期や場所は不明=ロイター 【シンガポール=塚本和人】英豪系の資源大手リオ・ティント社の幹部社員らが中国当局にスパイ容疑で拘束された事件が、豪中間の外交問題に発展しつつある。豪国内では反中感情が高まり、中国との関係を重視してきたラッド政権をも揺さぶり始めている。一方の中国側にも、外国企業による「機密情報」の獲得攻勢に歯止めをかけたい思惑もありそうだ。 中国当局が今月5日、リオ社上海事務所のスターン・フー氏(豪州国籍)ら4人を国家機密情報を盗んだ容疑などで拘束した。フー氏は中国企業との鉄鉱石価格交渉の責任者。中国紙によると、フー氏らは中国鉄鋼大手の幹部らに贈賄工作を行い、価格交渉を優位に進めるための「機密情報」を入手した疑いがもたれて