子どもを狙った暴力的性犯罪の前歴者の居住地情報を、法務省が警察庁に提供する制度で、2005年6月の制度開始から09年末までに、登録者672人のうち、99人が再び性犯罪で摘発された一方、再犯を未然に防げたケースは、わずか7件にとどまることがわかった。 所在不明者も58人に上っており、制度の限界が浮き彫りになった。 同制度は、13歳未満に対する強姦(ごうかん)、強制わいせつなど、四つの罪の前歴者について、法務省が氏名、居住地などを提供。居住地を管轄する都道府県警が対象者を登録し、原則5年以上、所在を確認する。 同庁によると、09年末時点の登録者は672人で、性犯罪の再犯は99人(14%)だった。このうち、容疑者を早期に絞り込むなど、登録情報が生かされた例は19件にとどまった。 制度の目的は再犯防止だが、子どもへの声かけなどの前兆の段階で指導・警告を行い、再犯を未然に防げたのは7件だった。 居住