10年度に全都道府県と政令市、中核市の児童相談所(児相)が対応した児童虐待の相談件数は5万5152件(速報値)で、前年度から28・1%増え、初めて5万件を超えたことが20日、厚生労働省の調べで分かった。東日本大震災の影響で宮城県と福島県、仙台市の分は含まれず、3自治体を除いても前年より1万2090件多い。厚労省は「虐待そのものが増える一方、大阪市2幼児放置死事件(10年7月)などの影響で、表面化しにくかったケースが顕在化した」とみている。【野倉恵】 前年度からの増加率が高かったのは愛知県(1・78倍)、栃木県(1・67倍)、大分県(1・66倍)など。 一方、虐待の恐れのある家庭に児相が解錠して立ち入ることを可能にした強制立ち入り調査(臨検)は、10年度も2件、対象児童2人(09年度1件1人)にとどまった。1件は東京都が実施。住民票を移さずに転居後、持病のある子供の受診や就学手続きをしない保