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2007年6月24日のブックマーク (1件)

  • 中山元訳『永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編』

    学生のとき、ドイツ語教師がこんな話をしてくれた。ドイツに留学したとき、そこらで遊んでいる子供がaufhebenという言葉を使っているのを聞い て、びっくり仰天したというのだ。哲学用語のなかでもとりわけ難解とされ、「止揚する」と訳されている言葉を子供たちが使っているのだから、さすが哲学の 国だというわけだ。 もちろん話は逆で、子供が哲学の言葉を使っているのではなく、哲学者が普通の言葉を使っているのだ。当時の学生は哲学の「難解」な翻訳書を読んでいたか ら、ドイツ語をしっかり学んで原書で読めといってくれたのだろう。顔も話し方も当時人気の落語家そっくりの教師だったので、そんなことをもろにいうほど野 暮ではない。学生が爆笑するような無駄話にして話してくれたのだと思う。 とりわけ「難解」とされた哲学書のうちヘーゲルの著書については、長谷川宏が普通の言葉で訳しているが、ヘーゲルよりも難しいというカン