最終回の第5回は、学校教育や情報教育現場の実態を聞く。教育現場は子どもたちの実態に追いついているのだろうか? 2005年3月まで現役高校教員で、現在は文部科学省中央教育審議会初等中等教育情報専門部会の委員も務める情報教育の第一人者、尚美学園大学教授の小泉力一氏に教育現場や教員の実態について話を聞いた。 ● 10代のネットトラブルは増え続けている 「10代のトラブルには、表に出てくるものと出てこないものがあります。自殺までになったら事件として扱われますが、引きこもりや人間不信になっても表には出てきません。表に出てくるものが増えているということは、出ていないことも増えているということなのです」と小泉氏は指摘する。子どもたちは真面目で、判断力がなく知識もないため、自力で解決できずに自殺してしまったり、不当請求で払わなくていいお金を払ってしまうなどのトラブルが後を絶たない。出会い系のトラブルに巻き