先日お会いしに行ったバリ島の大富豪兄貴、丸尾孝俊さんの経営学について書こう。 丸尾さんがおっしゃっていることは、僕がいつも思っていることとほとんど同じだと思えたが、圧倒的に違うのは経験から来る言葉だということ。僕は、学者として、一人で「考えて考えて考え抜いて」、人の心の存在論や倫理学についてある境地に達した。一方、丸尾さんは、多くの人とともに経営を「実践し実践し実践し抜いて」、そのあげくに類似した境地に達しておられる。基本的には、日本的な思想の理想に達しておられる。無我、無私、なすがまま、生かされる、和。経験に裏付けられているから、一点の曇りもない。完全な言動一致。僕は、世の中の他の教授陣と比べると圧倒的に実践的な教授である自負はあったが、丸尾さんに比べるとまだまだ実践不足であることを実感した。 今日は、経営学として脱帽した点を書こう。西洋流の、独立した個人が功利的に自己の利潤を追求すると
今日の「システムの科学と哲学」(私の授業)は、東工大価値システム専攻の木嶋恭一先生による、ソフトアプローチのお話(3回のうち2回目)。日本ではあまり聞けないが、ヨーロッパでは結構教育されている。一方、アメリカではシステムズエンジニアリングの方が主流で、あまり聞かない。 ソフトというのはソフトウエアという意味ではなく、チェックランドらがいうところの”柔らかいアプローチ”という意味。ハードアプローチとは、1950年代以来の、オペレーションズリサーチ、システム分析、システム工学(現代システムズエンジニアでいうところのTSE, Traditional Systems Engineering)。補足すると、ソフトアプローチがいうところのハードアプローチ(頭の固いアプローチというようなニュアンスか)にはシステム工学が入っているが、写真を見るとわかるように、現代システムズエンジニアリングから見ると、その
東京大学工学部システム創成学科にSDM(システムデザイン&マネジメント)コースができたそうだ。 システム創成学科はもともと精密機械工学科・船舶工学科・システム量子工学科・地球システム工学科の4学科を統合して2000年に発足(その後、旧精密機械工学科が2006年に精密工学科として分離独立)したもので、もともと以下の3つのコースから成っていた。 環境・エネルギーシステム(E&E)コース(システム創成Aコース) シミュレーション・数理社会デザイン(SIM)コース(システム創成Bコース) 知能社会システム(PSI)コース(システム創成Cコース) このうちBコースが2013年に名称を変更し、SDMになったようだ。慶應SDMとしてはSDMという名称が広まるのはいいことだと思うが、HPを見た限り我々とはコンセプトやスコープが異なるようにも見える。学科やコースの改変により新しいものを作ろうとしているため古
幸福の因子分析によると幸福の条件の一つは「人の目を気にしないこと」だが、本を出すといつもアマゾンのカスタマーブックレビューでの評判(つまり人の目)が気になる。 1月に出した『「死ぬのが怖い」とはどういうことか』(講談社)のレビューは相変わらず厳しい(現在、6つのカスタマーレビューが載っていますが、★(星ひとつ)の酷評が5つ。ほめてくれている★★★★★の書評はわずか1つ。)。 実は売り上げは好調で、2ヶ月で4刷! うれてるんです。 講談社の方に「レビューがひどいけど売れる本ってありますかね?」と聞いたら「ないです」と断言された。「売れる本への悪いレビューは、(十分売れた後の)最後の方で出てくることはありますけどね」とも。 一方、読書メーターをみてみると、 ●一切は空だ、というのはこういうことなのかと、朧げながらわかったような気に。 ●信仰という方法に依らなくても、死を理解し受け入れるのは難し
今日の「ダイアログとデザインの未来」(慶應SDM公開講座)は面白かった。いや、感動した。 以下、藤野英人さん(レオス・キャピタルワークス(株)取締役)の講演の一部。 東証平均株価は最近10年間(2002.12-2012.12)で2%しか上がっていないが、66%の会社(1700社)は毎年7%成長し、10年で2.2倍に。実は、日本には成長している会社がたくさんある。なぜか。大企業の株価が足を引っ張っているのだという。TOPIX CORE 30はマイナス24%。一方、中堅の66%は伸びているのだ。東証2部も10年でプラス67%。つまり、おおざっぱにいうと、大きな会社が伸びていない一方、中堅企業が伸びているということ。 成長する日本の会社を見分けるユニークな方法があるという。会社のホームページに社長と役員の顔が出ている会社のパフォーマンスは高い。経営者に覚悟があるから。 日本人は不真面目。まじめを
2章を書きます! ちょっと過激ですが。なお、以下は私自身の個人的な意見であり、いかなる組織の考えを代表するものでもないことを(つまり慶應SDM研究科委員長としての意見ではなく、一個人としての意見であることを)あらかじめお断りしておきます。 2 いま、大学の何が問題なのか? 大学の22の問題点 第1章では、SDM学が解決すべき社会の問題について述べた。第2章では、慶應SDMが置かれている大学教育界における立場を明確にするために、大学の問題点一般について述べよう。 現代は大転換時代である。第1章でそう述べた。そうであれば、社会に対して中立な大学は、目先の利害対立を超え、次代を大きく見据え、人類の進むべき道を指し示すようなスケールの大きい研究・教育をできてもいいはずである。いや、本来、まさにそれが大学の使命であるべきなのではないか。ところが、それができていないばかりか、社会から、特に産業界から見
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