漫画家の羽海野チカさん描き下ろしポスターをバックに立つ大阪大大学院の忽那賢志教授=大阪府吹田市の大阪大で2023年12月26日、西田佐保子撮影 国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されたのは2020年1月15日。未知の感染症に誰もが不安を抱える中、ネット交流サービス(SNS)や動画投稿サイト、ブログなどで、多くの医療従事者が新型コロナに関する情報を発信し続けた。その中で最も注目された感染症専門医は、大阪大大学院の忽那賢志(くつな・さとし)教授(45)だろう。しかし、エビデンス(科学的根拠)に基づく情報提供に、多くの人から感謝される一方で、「人殺し」「犯罪者」などといった誹謗(ひぼう)中傷を受け続け、カミソリ入りの郵便物が送りつけられるなど、日常生活にも被害が及んだ。当時を振り返り、忽那さんは何を思うのか――。正しい医療情報を見極めるコツも聞いた。【聞き手・西田佐保子】 感染症の常識