タグ

関連タグで絞り込む (2)

タグの絞り込みを解除

sfとbookに関するshoのブックマーク (20)

  • 敵は海賊・海賊の敵 (ハヤカワ文庫JA)(神林長平) - ただのにっき(2016-02-21)

    ■ 敵は海賊・海賊の敵 (ハヤカワ文庫JA)(神林長平) 昨日の積読よりさらに古いのを発掘したぞ。 感想は「いつもの敵海」で終わりなんだが(笑)。もちろんいつものように楽しめた。でもまぁ、さすがに匋冥がオールマイティすぎるというか、不確定要素たるアプロがあまり目立たなかったことも手伝って、いささかバランスを欠く気がするね。

    sho
    sho 2016/02/23
  • 火星の人(アンディ ウィアー) - ただのにっき(2016-02-20)

    ■ 火星の人(アンディ ウィアー) 病気療養中は、解熱剤のおかげで平熱でもわりと延々と寝てしまうので、あまりまとまったとか読めないんだけど、さすがに寝るにも飽きてきたので読書をすることに。せっかく休んでるんだから少しでも積読を消化しておこう。かみさんと映画を観に行く予定だったけど寝込んでいるからそれもキャンセルだし、ということで原作に手を出す。 すでに評価の定まってる傑作だし、あんまり書くことはないかなー。主人公の手記が、文中では「ログ」と書かれているように日誌の体裁なんだけど、ジョークにあふれていて感情表現豊かなのでどっちかというと「日記」のニュアンスが強いのが面白みなんだよな。ときどき読者のことを意識して「ですます」調で言い訳じみたことを書くあたり「Web日記」ぽさすらある*1。宇宙飛行士が主人公のSFでこういうスタイルのものは、わりと日誌的に淡々と書かれることが多い印象なんだけど、

    sho
    sho 2016/02/23
  • B010DY7LOK - ただのにっき(2015-08-09)

    ■ 神々の歩法 -Sogen SF Short Story Prize Edition- 創元SF短編賞受賞作(宮澤 伊織) 最近ぜんぜんを読めなくなってしまって、まぁいろいろ原因はあるのだけど、短編だったらさっくり読めるからリハビリにいいかなと思ってKindleで買ってみた。これはいわゆる「Kindle Single」ではないのかな。短編とはいえ一作100円未満というのはリーズナブルすぎてなんか申し訳ない。 創元SF短編賞に応募してきた(ラノベで実績のある)プロの作家の作品という背景を知らずとも、ちゃんとこなれた短編SFで、普通に面白かった。佳作。 短編だから中身についてはあんまり書けないけど、表紙にあるアーマーを着た人たちはあまり目立った活躍はしないのが拍子抜けではあるが、かといって完全な脇役でもない重要な役柄である。タイトルにある「歩法」はダンスのことだとわかるけど、あんまりこれに

  • 連環宇宙 (創元SF文庫) (創元SF文庫)(ロバート・チャールズ・ウィルスン) - ただのにっき(2015-02-04)

    ■ 連環宇宙 (創元SF文庫) (創元SF文庫)(ロバート・チャールズ・ウィルスン) 三部作の一作目はかなり気に入ったと書いておきながら、最終作である書を読むまでに3年ほったらかしだったのは、二作目の印象があまりパッとしなかったのと、同じ作者の別の作品はもうひと息という感じだったせいかなー。Amazonが出版を知らせてくれなかったというのもある(笑)。 でもまぁ、けっこう楽しめたかも。スピン後の地球の人々と、そこからさらに一万年後の人々の時間が交錯する、ちょっと時間SFっぽい要素もあるストーリーで、ウィルスンらしい現実感のある人間ドラマも相まって遠未来を舞台にしているわりには感情移入しやすかった。登場人物の背景に「取ってつけた」感がないのが良い。 集合意識となった人類に、大脳皮質を共有する一派と辺縁系を共有する一派があって……という設定が一番おもしろかった(けど全体を共有する派閥がないの

    sho
    sho 2015/02/04
  • 凍りついた空 エウロパ2113 (創元SF文庫)(ジェフ・カールソン) - ただのにっき(2014-12-01)

    ■ 凍りついた空 エウロパ2113 (創元SF文庫)(ジェフ・カールソン) が好き!の献抽選で当たった。ここのところ3冊連続で当たるという異常な当選確率で、どうせ当たるならアイマスライブのチケット当たれよと思わなくもない。 それはさておき、書は木星の衛星エウロパで起きるファーストコンタクトの話だ。時代は約100年後。冒頭から主人公が謎の生物の群れに追い回されているというスリリングなシーンで始まり、その中で人間の人格を移植した人工知能があるとか、自己修復機能を持ったスペーススーツなどのテクノロジーの進歩を伺わせてなかなかうまい。とはいえ、100年たってもそんなもんか? という気もする。そもそもエウロパに人間の科学探検隊が赴くのが100年後って、かなりがっかりな未来に思えるのは、自分が20世紀に描かれたバラ色の未来に毒されすぎているからだろうか。 面白いのは、この生物が「ひょっとすると知

    sho
    sho 2014/12/03
  • 「メイカーズ」コリイ・ドクトロウ - ただのにっき(2014-11-19)

    ■ 「メイカーズ」コリイ・ドクトロウ Makerブームの立役者のひとり(?)、ドクトロウの「メイカーズ」を、さまざまな英文を翻訳していることで知られるH.Tsubotaさんが翻訳していたので読んでみた。HTML版およびEPUBまたはmobi版が無償で入手できる。 ドクトロウといえば以前「マジック・キングダムで落ちぶれて」をけちょんけちょんにした記憶しかないのだけど、作はけっこう楽しめたかな。2009年の時点でMakerブームとその行く末をここまで描けるのはたしかにすごい。こういうネタだと単純に「あるMakerの成功譚」になりそうなところ、わりと山あり谷ありで、けっして明るいばかりではない結末になるあたり、なかなか誠実だ。 もっとも、5年前の作品ということを割り引いてもリアリティはそんなに感じられなくて、まぁ近未来を描くSFはどうしてもそうなってしまう傾向があるとはいえなんでかなーと不思議

    sho
    sho 2014/11/20
    リポジトリを公開していただきました https://github.com/H-Tsubota/Cory-Doctorow-Makers-Japanese-translation
  • MM9-destruction-(山本 弘) - ただのにっき(2014-10-02)

    ■ MM9-destruction-(山 弘) Amazonへのリンクにしてあるけど、実際はWebミステリーズ上の連載で読んだ(今はもう途中までしか読めないけど)。 前作「invasion」の直接の続編になる……ので、主人公は高校生、体裁はラノベ風。一作目と二作目でスタイル変えてきたから三作目も変えるかなと思ったら、そうは来なかったかー。ラノベ風は怪獣小説にしてはちょっと重々しさに欠けるのが難点だよね。 とは言うものの、神話世界の理論的背景にただよう胡散臭さはさすがと学会元会長の面目躍如だし(←ほめてる)、クライマックスの怪獣大戦争はすばらしい迫力。なんといっても登場する怪獣がどれもどこかで見かけたような特徴をちょっとずつ持っていて、円谷怪獣へのリスペクトが感じられてじつに良かった。 MM9―invasion― 山 弘 東京創元社 ¥282 MM9-destruction- 山

    sho
    sho 2014/10/02
  • パラークシの記憶 (河出文庫)(マイクル・コーニイ) - ただのにっき(2014-08-27)

    ■ パラークシの記憶 (河出文庫)(マイクル・コーニイ) 前作「ハローサマー、グッドバイ」の感想で未訳の続編のことに触れていたにもかかわらず(しかもその出版が決まったことまで追記しておきながら)、1年近くもまったく気づかずにいたというね。なんでAmazonはこれをレコメンドしないのか。 続編とはいえ前作から「一周期」ほどあとの時代の話なので、登場人物も重ならないし、設定についてもちゃんと説明があるので前作を読んでいなくても話はわかる。が、どうせこれを読んだら前作も読みたくなると思うし、そうなると前作の「大どんでん返し」を楽しめなくなってしまうのでちゃんと前作から読んだほうが良い。 で、続編も「どんでん返し」かというとそうでもなくて、スタイル的には正統派のミステリー、それも殺人事件の。もちろん事件の真相はある意味「どんでん返し」なんだけど、それよりもたんねんに構築された世界の生態系や新しい異

    sho
    sho 2014/09/01
  • 図書室の魔法 上 (創元SF文庫)(ジョー・ウォルトン) - ただのにっき(2014-06-13)

    ■ 図書室の魔法 上 (創元SF文庫)(ジョー・ウォルトン) 急に新作を読んでどうしたことかと思われたかも知れないが、例によってが好き!の献にあたったのである(いつものとおり4回目の応募)。一ヶ月以内に書評を書かないといけないので焦る。 妖精が見えて魔法が使えると気で信じている重度の中二病患者であるウェールズ育ちの15歳の少女が、ひょんなことからイングランドの全寮制女子校に入れられてしまい、差別や偏見に押しつぶされそうになりながら送る生活を人の日記という体裁で綴った作品。彼女が逃避先に選んだのは「」。それもSFばっかり! 1980年前後の数ヶ月間の出来事なので、脂の乗り切った英米SF作家の作品ばかりがバカスカ出てくる。巻末に登場作品の一覧が11ページにもわたって掲載されているのだけど(労作!)、21世紀の現在から振り返ってもSFが最高に豊穣だった時代だ。なので必然的に書は主人公

    sho
    sho 2014/06/15
  • 量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)(ハンヌ・ライアニエミ) - ただのにっき(2014-05-30)

    ■ 量子怪盗 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)(ハンヌ・ライアニエミ) 「第六ポンプ」を読み終えたときに(こっちはma2さんに)勧められたので次はこれ。 のっけからエネルギー保存則を無視したお手軽ナノテクが投入されまくるので、頭をファンタジー/スペオペ脳に切り替え。解説によれば著者は物理学者かつ数学者らしいので、これはわざとなんだろう。しかし読み進めるとこういうちょっとした「こだわり」のなさがいちいちひっかかる。 白い棒状のものに火を付けて臭い煙をまきちらす「タバコ」。遠目にも手に持ったそれがなんだかわかるような「新聞」。量子コンピュータがあるのに信用されている「公開鍵暗号」。シンギュラリティ後の遠未来ということらしいが、文化や人物がどうにもこうにも現代くさすぎる。スタイリッシュさを優先していろいろ整合性が犠牲になってる。スペオペ読むのにこういうところに引っかかってたら負けだよなーと思いつ

    sho
    sho 2014/06/02
  • 言語都市 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)(チャイナ・ミエヴィル) - ただのにっき(2014-05-17)

    ■ 言語都市 (新★ハヤカワ・SF・シリーズ)(チャイナ・ミエヴィル) 3月に『第六ポンプ』を読み終えて、次に何を読もうかと悩んでいたらartonさんにこれを勧められたのだった*1。傑作だー。面白かった!! SF作家の何割かはいつか独自の言語を編み出してやるろうと画策してるんじゃないかと思うのだけど*2、作に登場する異星の言語は、向こうが言ってることは翻訳可能なのにこっちが話しても理解してもらえない、その上コンピュータのサポートも不可能という、かなり突拍子もないシロモノで、「ありえねーだろー」と思いつつも『都市と都市』と同様、読んでるうちにだんだんあり得そうに思えてくるあたりが、ミエヴィルの力量というか。 (以下、ちょいネタバレぎみ) そんな奇怪な言語を通したコミュニケーションに、突如「兵器」が投入されて、なんとかうまく回っていた世界が崩壊し始めるという話で、この「兵器」を無効化するにあ

    sho
    sho 2014/05/18
  • 第六ポンプ (ハヤカワ文庫SF)(パオロ バチガルピ) - ただのにっき(2014-03-23)

    ■ 第六ポンプ (ハヤカワ文庫SF)(パオロ バチガルピ) 最近フィクションをあまり読めてなくて、以前から積んであったこれを取り出したもののもたもたしているうちに文庫入りしてしまったという。とほほ。おまけに序盤、最貧民の少年がとんでもない秘密を掴んでしまい、人生の大転機を迎えようか……というところで物語がブツっと切れ、これが短篇集だと気づく始末。 バチガルピの描く世界は基的にディストピア(ないし超格差社会を最底辺から描いたもの)なので、読んでいてあまり気分のいいものではない。それでも長編は緩急があって救いのある場面もないわけではないのだけど、短編となるとそういうことがないので読んでる最中は常にムカムカしていることになる。登場人物たちは人に非がないにもかかわらずひどい目に遭いっぱなしだし、たいていは救いのない結末だ。頭ではどれもすばらしい作品だとはわかっていながらも、手放しに喜べない。

    sho
    sho 2014/03/23
  • 天獄と地国 (ハヤカワ文庫JA)(泰三, 小林) - ただのにっき(2014-01-16)

    ■ 天獄と地国 (ハヤカワ文庫JA)(泰三, 小林) 先日「サカサマのパテマ」を観て、書を思い出したので積読から発掘。SFマガジンに掲載されていたところは読んでいたけど、通して読むのは初めて。で、まさか完結してないとは思わなかった。せいいっぱい好意的に「読者の想像に委ねた結末」と解釈できなくもないけど、普通これは「投げっぱなし」というんじゃないの。ひどいよなぁ。 舞台は「リングワールド」のパチもんで、面白いのはリングの内側じゃなくて外側になぜか人が住んでいるという設定。頭上が地面で、気を緩めると空に"落下"してしまうという設定、これはもう、面白くないわけがない。もちろん小林泰三のやることなので、物理計算に手抜きはない。乏しい資源を奪い合って暮らす絶滅寸前の人類が、謎の古代兵器==巨大ロボットを発掘して、存在するかどうかもわからない「地国」を目指す旅を始めるというストーリーもいい。 でもい

    sho
    sho 2014/01/17
  • ブラインドサイト<上> (創元SF文庫)(ピーター ワッツ/テッド チャン/嶋田 洋一) - ただのにっき(2014-01-02)

    ■ 寒川神社へ初詣 例年どおり、寒川神社へ初詣。門の上に掲げてあるねぶた、今年は天岩戸だそうで、どうも昨年から干支シリーズはやめたらしい。今年は午年だから、ネタには事欠かないと思っていたのだが。 さすがに1月2日の日中だと大混雑で、賽銭箱を拝むまでえらく時間がかかった。で、昼飯どきだったけど混んでいるのでそのまま江ノ島へ向かい、そっちでべようということに。そしたらなんと、いつもの遊覧船が運休。 ちゃんと正月には運行しているという看板が出てるのに、券売所が閉まってるだけでなんの理由も書いてない。まぁちょっと風も強いし島の東側の波は高いけど、遊覧船が通る西側は静かなものだし、なにがあったのかぜんぜんわからないのでかなりムカつくねぇ。しかたがないので表参道から行こうとするも、裏に回るルートがないせいか、猛烈に混雑していて事もとれないので、あきらめて帰ってきてしまった。 とはいえ腹が減ったので

    sho
    sho 2014/01/02
  • 日本SFの電子書籍版が100点一挙配信開始|早川書房のミステリ・SF・ノンフィクション:新着ニュース

    11月15日、《戦闘妖精・雪風》《敵は海賊》など神林長平作品42点、《ダーティペア》など高千穂遙作品10点、小川一水作品11点など人気作家の定番SF作品100点の電子書籍版を、主要取り扱い電子書籍ストアで一挙に配信いたします。 該当タイトルは以下。続々と登場する早川書房の電子書籍にぜひご注目ください。 『The Indifference Engine』  伊藤計劃 『リリエンタールの末裔』  上田早夕里 『OUT OF CONTROL』  冲方 丁 『微睡みのセフィロト』  冲方 丁 『マルドゥック・ヴェロシティ1〔新装版〕』  冲方 丁 『マルドゥック・ヴェロシティ2〔新装版〕』  冲方 丁 『マルドゥック・ヴェロシティ3〔新装版〕』  冲方 丁 『マルドゥック・フラグメンツ』  冲方 丁 『Self-Reference ENGINE』  円城 塔 『Boy’s Surface』  円城

    sho
    sho 2013/11/12
    未来に残す価値のある珠玉の名作SFにDRMかけて売るとか、狂ってるとしか言いようがないですね。
  • ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)(ウエスターフェルド,スコット) - ただのにっき(2013-09-04)

    ■ ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)(ウエスターフェルド,スコット) 3冊まとめて買って一気に読むべきとか書いておきながら、残りをやっと読み終えたのが8ヶ月後とかどうかしてますね。読むべきものが多すぎて、小説がどんどん後回しになってしまう……もう電子積読でKindleがいっぱいなのだが。 とはいえ期待に違わぬ面白さで、時間さえ許せば一気読みしたことだろう。もちろんジュブナイルとしてという意味で、SF的な面白さとはちょっと違うのだけど。第一次世界大戦の「史実」にうまい具合に沿いつつも、機械国家 vs バイオ国家というトンデモ設定を網の目のようにからませていくあたりが実にうまい。テスラみたいな実在の人物を上手に登場させて活躍させてみたり。後半には日も登場するのだけど、西洋人からみたありがちなエキゾチックさは残しつつもわりと正しい描写で感心した。そういう意味で徹底

    sho
    sho 2013/09/05
  • NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)(伊藤 計劃) - ただのにっき(2013-06-12)

    ■ NOVA 1---書き下ろし日SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日SFコレクション)(伊藤 計劃) なかなか忙しい日々を送っているのですよ、最近は。おかげで仕事の資料や技術書ばかり読んでいてフィクションに手が出せない。それでも細切れで読めるような短篇集が読みたいなぁ……と思ってKindleの奥底を探してみたらこれが出てきた。NOVAシリーズはちゃんと継続していて年初に出たNOVA 9が最新。ちゃんと全部買ってるのにまだ1冊も読んでないとかひどい(笑)。 大森望が選ぶ作品とは以前から相性が悪くて、失敗だったらどうしようと心配したが、なかなかどうしてどれも佳作で楽しめた。最高だったのは(やっぱり)田中啓文の「ガラスの地球を救え!」で、まさか田中啓文で泣くとは思わなかったよ。いやまぁ、いつもの田中啓文なんだけど。というか泣くなよおれ。 他には、妙に「世界はテキストで記

    sho
    sho 2013/06/13
  • 不確定世界の探偵物語 (創元SF文庫)(鏡 明) - ただのにっき(2013-02-08)

    ■ 不確定世界の探偵物語 (創元SF文庫)(鏡 明) 字が小さめのから片付けていこうと思って掘り出したのが、鏡明の「数少ない完結した」この作品。書かれたのは30年くらい前だが、2007年に創元が復刻したのを買ったまま眠らせてあったのだった。 世界にたったひとつのタイムマシンを個人が所有して遠慮会釈なしに過去を変え、世界がどんどん変容していく世界。ちょうど慣性のように元の時代の記憶がわずかに残るというのがミソで、多世界解釈だが「隣」の世界と完全に分離していない感じなのが設定面での面白いところ。もちろんこれによって人々の生活や精神がどのように変異するかというあたりがSF的に面白いところで、解説にもあるけど雰囲気はディック的な様相だ(まぁディックは嫌いなわけだが)。 そんな過去という存在そのものが怪しげな世界で探偵モノをやるという不条理さが面白い……はずなんだけど、前半はそれほど設定が生きてな

    sho
    sho 2013/02/21
  • 時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)(R・F・ヤング他) - ただのにっき(2013-01-30)

    ■ 時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)(R・F・ヤング他) 昔の文庫は字が小さいので(これ以上視力が悪くなる前に)片づけちまおう……というわけで古いのを発掘しております。2009年発行(←そんなに古くなかった)、日オリジナルの時間SFアンソロジー。 解説の冒頭で「『夏への扉』や『たんぽぽ娘』が人気なのは日だけなので日人向けにロマンチックな時間SFばかり集めた」と身も蓋もない動機が書かれていて吹いたけど、いやでもそうだよなー、どんなややこしいタイムパラドックスがくるのかと身構えてする読書は疲れるもんね。というわけで、タイムトラベルを可能にする技術的屁理屈をこねることもなく、タイムパラドックスの迷路に誘い込むこともない(あっても単純な)、ほんわかした短編がメインの、たいへん心に優しい作品集でした。 この手の作品集には欠かせないヤングやフィニイの作品はもちろん言うまで

    sho
    sho 2013/02/06
  • ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)(野尻 抱介) - ただのにっき(2012-12-20)

    ■ ふわふわの泉 (ハヤカワ文庫JA)(野尻 抱介) 傑作と名高いのに長らく入手困難だったファミ通文庫版にかわり、ようやくハヤカワJAに入ったというので、喜び勇んで入手した(そして半年積んだ←ダメダメ)。 「ダイヤモンドより硬いのに空気より軽い物質の話」という予備知識だけあって未読だったので、なんとなくプロジェクトX的な話を想像していたら、件の物質は序盤であっさり量産されて、そのあとはそれに伴う世界の変容の方に軸足が移る。そうか、そりゃそうだ、それがSFというものだ。発表時期は前後するものの舞台装置は「南極点のピアピア動画」と共通点があって、いろんな意味で野尻ワールドを満喫。 もっとも、化学バカともいうべき発明者の泉に、みょうに経営センスがありすぎるのが不自然でリアリティに欠けるなーと思いながら読んでいたのだけど、泉と昶と似たような組み合わせで大成功したある日の企業のことが思い浮かんでか

    sho
    sho 2012/12/26
  • 1