自走するゾンビとオルタナティヴなプラットフォーム 星野太氏 星野──地域に根ざしたオープンエンドな作品の氾濫や、若いアーティスト、ボランティア、一般の参加者にいたるまでのさまざまな「やりがいの搾取」が行なわれている状況下で、「関係(性)」がそれを正当化するための有効な概念に思われたという側面があると思います。特に、美術批評の影響力が次第に弱まっていった90年代後半から00年代にかけて、「関係性の美学」という言葉そのものがひとり歩きし、次第に脚光を浴びることになった。 この問題を考えるためには、ヨーロッパで「関係性の美学」がどう認知されているかということを踏まえておく必要があると思います。ちょうど最近、ポンピドゥ・センターで行なわれている大規模なマルセル・デュシャン展を見る機会がありました。そのときコレクション展も一緒に見てきたのですが、1980年代から今日までの現代美術の流れを紹介するフロ
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