「(戦後の労働基準法制定以来)70年ぶりの大改革だ。長時間労働を是正し、非正規という言葉を一掃していく法制度が制定された」。働き方改革関連法の成立を受け、安倍首相は29日、記者団に胸を張った。「最重要」の法成立に、首相周辺は「何とか乗り切った。一段落だ」と息をついた。 株高や雇用改善を政権の支えとする首相にとって、働き方を多様にするとした今回の改革は、人手不足や非効率を解消して経済成長を図るアベノミクスの一環でもあった。「成長戦略に必要。是が非でも成立させないといけない」(官邸幹部)と「働き方改革国会」と銘打ってまで政権の最優先課題にすえた。 中でも高プロの導入は、第1次政権の2007年に「ホワイトカラー・エグゼンプション」として打ち出して以来のこだわりのある規制緩和だった。そのため裁量労働制の拡大は、労働時間データの異常値問題で国会が紛糾すると早々に撤回を決断。政府関係者は「首相は『法案