「三千世界の鴉を殺し ぬしと朝寝がしてみたい」 幕末の志士、高杉晋作の手によるとされる都都逸。 「三千世界」、「鴉」、「殺し」と仰々しい単語が上の七・七に並ぶが、下の七・五は艶っぽくまとめられている。 この唄の大意は、遊女の本命の男への想いだけれど、ではそれぞれの言葉はどのような意味を有しているのか、これからご説明。 まずは「三千世界」。 これは仏教用語で、仏教の世界観で中心に位置している須弥山、その周りにある四つの大陸・四大州(南瞻部洲【なんせんぶしゅう】、東勝身洲【とうしょうしんしゅう】、西牛貨洲【さいごけしゅう】、北俱盧洲【ほっくるしゅう】の四つであり、南瞻部洲に人間が住んでいるとされている)、その周りの九山八海、上下では、上は三界(欲界・色界・無色界の三つで、凡夫が輪廻を繰り返す世界を三つに分けたもの。「三界に家なし」の語はここから来た)の色界の中の梵世から、下は大地の下の風輪(世

