糖質摂取が増えるとインスリン抵抗性が肥満や糖尿病を引き起こす インスリン抵抗性というのはインスリンの効き目が弱いことで、骨格筋や脂肪組織でのグルコースの取込みと利用が低下している状態です。脳や妊娠中の胎児へグルコースの供給を維持する必要があるために、人類は氷河期の間の低糖質食に適応するためにインスリンの効き目を悪くするように進化したと考えられています。しかし、農耕が始まって糖質摂取量が増えると、インスリンの効き目が弱い遺伝形質(インスリン抵抗性)を持っている人類に肥満と2型糖尿病が増えるようになります。 最近まで狩猟採集を行っていた地域に糖質の多い西洋的な食事が導入されると、急速に肥満と2型糖尿病が増えることが知られています。例えば、米国アリゾナ州のピマ・インディアンやオーストラリア先住民のアボリジニや南太平洋のナウル共和国の住民は肥満や2型糖尿病が極めて多いことが知られています。これらの