旗竿の旗が風にひらひらとはためく。冬の木枯しに電線がひゅーひゅーと鳴る。皆さんはなぜこうなるかご存じですか。これはすべて「カルマン渦」のなせる業なのです。カルマン渦とは、流れの中に立つ柱の両側から、交互に規則正しく一定間隔で発生する渦です。今世紀の初め、アメリカの応用力学者カルマン博士は、この現象を理論的に解明し「カルマン渦」という名を残すことになりました。 カルマン渦は長い間、高い煙突や潜水艦の潜望鏡を揺らせたりする、厄介者と見られていました。皆さんも、大きな高い煙突の外側に付いている、螺旋階段のようなものを見たことがありませんか。あれは実はカルマン渦の発生を止めて、煙突の搖れを抑えているのです。 ところが1960年代に日本とアメリカで、この厄介者を流量計に応用する試みが始まり、1970年代から実用化されました。渦の間隔が一定なので、目の前を通過する渦の数を数えれば、流速が分かるというア