野村 克也 1935年生まれ。1954年にテスト生として南海ホークスに入団。1970年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ4球団で監督を歴任。インタビュー等でみせる独特の発言はボヤキ節と呼ばれ、その言葉はノムラ語録として多くの書籍などで野球ファン以外にも広く親しまれている。 野村氏は監督時代、ミーティングで繰り返し選手に言った言葉があった。 「目的のない努力ほど、ムダなものはない」 プロの野球選手はみんな目的意識を持って練習に取り組んでいると思っている人もいるだろうが、「ただバットを振ったり、数多く投げるだけで明確な意図のない練習をしている選手は意外と多い」のだという。しかも、これは何も今に始まったことではなく、昔からだというのだ。 明確な目的意識を持って野球に取り組んでいるかどうかは、練習している姿を見れば一目瞭然だ。 「たとえば右打者が打撃練習に取り組んでいたとする。打撃投手