東京都の小池百合子知事は11日、新たに新型コロナウイルスに感染し、自宅療養中だった1人暮らしの30代男性が死亡したことを明らかにした。男性は基礎疾患はなかった。第5波が本格化した7月下旬以降の自宅療養中の急変による死者は、50代女性、70代男性に次いで3人目。 小池氏は30代男性について「健康観察は続けていたわけですが、体調が急変した」とした上で「若いからと、何も病気はないよ、というのではなくて、基本的なところをお守りいただくように徹底してお願い申し上げたい」と呼びかけた。
菅義偉首相は10日、長崎市で9日に開かれた長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に1分遅刻したことを陳謝した。「少し前に会場に着いていたが、結果的に時間管理上の問題で遅刻してしまった。心からおわび申し上げたい」と説明した。バイデン米大統領との電話会談後、官邸で記者団の取材に応じた。政府関係者は、トイレに立ち寄ったのが理由だと明かした。 関係者によると、首相は式典の開始予定時刻だった9日午前10時45分の4分前に会場の平和公園に到着し、トイレに向かった。ただ予想以上に遠かったため、移動に時間がかかったという。会場で着席したのは式典開始が告げられた後の同46分だった。
東京五輪が閉会する8日、東京都庁の南北展望室には、新型コロナウイルスワクチンの接種会場が設けられ、医療従事者や飲食店関係者らが接種に訪れた。中には五輪に複雑な思いを抱く人もいた。五輪は大半が無観客開催となり、都にとっては新たな費用負担が生じる可能性がある。 午後2時ごろに2度目の接種を終えた東京都世田谷区の成田孝浩さん(47)は、都庁2階の五輪展示スペースへ。大会を振り返り「フェンシングがよかった」と笑顔を見せた。それでも自身の経営する料理店は緊急事態宣言に伴う休業や時短営業の要請で客足が離れたまま。「五輪は好きだし選手はすごいと思う。だけど騒いでいる人たちを見るとモヤモヤしますね」 都内の新型コロナ感染状況の概要が発表される午後4時45分。新規感染者は日曜日としては過去最多となる4066人に上り、登庁していた都職員は「とにかく増え方がすごい。いったいどこがピークなのか…」と漏らした。新規
東京五輪・パラリンピック大会組織委員会は4日、大会関係者全員に課している新型コロナウイルスのPCR検査で、陽性が確認されながら個人が特定できていないケースが8件あると発表した。コロナ対策で関係者と外部を遮断する「バブル(泡)方式」にさまざまな「穴」が指摘される中、組織委が繰り返し強調する「強靱な検査体制」でもほころびが浮かんだ。(小嶋麻友美) 唾液を採取する検査は職務に応じて、毎日や4日に1回などの頻度で実施が義務付けられている。原則として、各自は競技会場などで検体を提出するとともに、登録サイトで検体の11桁のバーコード番号、個人の7桁のアクレディテーション(参加資格証)番号と生年月日を入力する。
無断で外出したが「抜け出してはいない」、食品ロスは生じているが、「廃棄ではない」―。東京五輪で運営の不備を追求する報道陣に対し、東京五輪・パラリンピック組織委員会が理解しづらい解釈や定義を用いて反論を繰り返している。インターネットでは論点をずらして逃げる、安倍晋三前首相の「ご飯論法」と重ね合わせる声も。批判を正面から受け止めず、自己防衛に終始する姿勢に国民の不安や疑問は置いてきぼりだ。(原田遼) 組織委員会は大会中、毎日午前11時に定例会見を実施し、広報担当の高谷正哲スポークスパーソンが報道陣の質問に答える。しかし、新型コロナウイルス対策や運営の不備についての質問には「現在、把握できていない」と回答を保留するケースも目立つ。その場合、数時間後に各社の担当者に高谷氏からメールで回答などが配信されるが、質問に答えていないと報道陣に不評だ。
菅義偉首相は30日の記者会見で、東京五輪を中止しない考えをあらためて示した。だが、本紙が開幕前の4月以降、首相の会見で繰り返し質問した感染拡大につながるリスクへの認識や、開催の可否を判断する基準は一度も正面から説明していない。国民の不安と疑問に向き合わず、感染拡大を抑えることもできず、自ら「異例」と認める緊急事態宣言下の五輪に突入した責任にも言及しないままだ。(木谷孝洋)
五輪をめぐっては、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長が29日の国会で、感染拡大を進める要因として「夏休み、お盆、さらにオリンピック」と列挙し、東京五輪の開催が人出の増加に影響しているとの懸念を指摘している。 会見では、記者が、尾身氏の発言や実際に競技場周辺に人が集まっていることへの見解を尋ねた。これに対し、小池氏は「このところ(テレビの)視聴率が20%を稼げるコンテンツはなかなかない。実際に(五輪が)20%を超える視聴率を上げていることは、テレビでご覧になっていることを示し、ステイホームにつながっている。ですからオリンピックはそういう意味でステイホームに一役買っているし、またそれが選手への声援にもつながっていると思う」と強調した。 さらに「会場の周りに(観客が)おられるといっても、そう何万人といるわけではないと思う。数えてください。そういうことでオリンピックは皆さんに閉塞
菅義偉首相は29日、新型コロナウイルスの感染急拡大と東京五輪の因果関係について官邸で記者団に「ないと思っている」と否定した。記者が「五輪の開催が今回の感染者数に影響を与えていない、因果関係がないという論拠を聞かせてほしい」と尋ねたのに答えた。 首相は「五輪で人流が増えたり、外国の方から感染が広がったりするのを避けるための水際対策はしっかりやっている」と強調した。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は同日の参院内閣委員会で、五輪が感染拡大の要因の1つだと指摘したが、それとは異なる見解を示した。 首相が6月の参院決算委で、国民の生命と健康を守ることが五輪開催の前提だと答弁していたことに関連し、今の状態は前提が守られているかを記者から問われ「前提の中で最大限の努力をしている。当時20%だった高齢者の重症者は、今は3%を切る時もある」と回答。今後の対策として「ワクチン接種や抗体カクテル療法など準
新型コロナウイルス緊急事態宣言下での東京五輪開幕まで1週間を切った。東京都では17日まで4日連続で新規感染者が1000人を超えるなど、感染状況は明らかに悪化傾向にあり、大会の中止を求める世論は根強い。だが政府には、状況次第で中止を検討する考えは既になく、このまま開幕を迎える方針だ。 菅義偉首相は16日、政府の東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部の会合で「安全安心の大会の実現に向けて最後まで高い緊張感を持って取り組んでほしい」と話した。17日の読売テレビ番組では「たとえ無観客でも、感動を世界に届ける。難局を乗り越えられると発信することに意義がある」と強調した。 15日に開かれた都のモニタリング会議では、新規感染者の増加が今のペースで続けば、五輪閉幕直後の8月11日には直近1週間平均で約2400人に達するとの試算が示された。だが政府高官は「それくらいなら大丈夫。中止はない」と意に介さなかっ
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長ら専門家有志は18日、東京都内の日本記者クラブで会見し、東京五輪・パラリンピックの感染リスクについて「無観客が望ましい」とする提言の内容を説明した。尾身氏らは同日、政府と大会組織委に提言書を渡した。「リバウンドが東京などでも起こり得る。開催の前でも感染の拡大、医療のひっ迫の予兆を察知したら、早急に強い対策を打ってほしい」と訴えた。
東京五輪・パラリンピックの選手ら訪日関係者向けに開発している健康管理アプリ(オリパラアプリ)の事業費や国民から「ありがた迷惑」などと批判の声が上がった、いわゆる「アベノマスク」の配布などを巡り、国会による会計検査院への検査要請が見送られることとなった。参院決算委員会で、契約の妥当性を調べるよう提出した野党の要請案に、「(同院の)検査事項が多い」として与党が同意しなかったためだ。(坂田奈央) 会計検査院への検査要請項目の決議は、全会派一致が慣例。野党は①全戸に2枚ずつ布マスクを配布した事業の詳細な経費をはじめ、②当初は73億円の事業費だったオリパラアプリなど新システムの契約手続きや管理③給付金事業の事務費④予備費の使用―について検査を求めた。だが、いずれも与党が同意せず、予備費に関しては政府に適切な措置を求める「措置要求決議」にとどまった。 決議に向けた協議は与野党の委員会理事らの間で行われ
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