タグ

ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (15)

  • 『紙と印刷の文化録 — 記憶と書物を担うもの』尾鍋 史彦(印刷学会出版部) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「紙と人間の親和性は永遠か?」 待ちに待っていたが刊行された。『印刷雑誌』連載中から、になるのをずっと待っていたものだ。紙と印刷について、文化歴史、科学技術面からの考察をはじめ、9.11やWikiLeaks問題といった政治経済まで、じつに幅広い話題が採り上げられ、毎回読むのが楽しみな連載だった。 書は、前日印刷学会会長であり東京大学名誉教授(製紙科学)である “紙の専門家” 尾鍋史彦氏が、月刊『印刷雑誌』に1999年から2011年末まで13年間にわたって連載した「わたしの印刷手帳」156編のうち、70編を抜粋し分野別にまとめたものだ。 章立ては「第1章 印刷物の影響力」「第2章 情報と紙の関係」「第3章 産業としての印刷と紙」となっており、各章の終わりには書き下ろしで総括的な文章が掲載されている。 著者が製紙科学の専門家だから、ひたすら紙を礼賛した内容だと思

    『紙と印刷の文化録 — 記憶と書物を担うもの』尾鍋 史彦(印刷学会出版部) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    sikatas
    sikatas 2012/04/14
  • 『脳を創る読書―なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか』酒井邦嘉(実業之日本社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「「考える」読書を手離さないために」 「電子書籍」をめぐる議論は過熱している。しかし、肝心の「読書」の内実はどうなっていくのか。そこをきちんと考えないと、何のための「電子化」かわからなくなりそうだ。 書『脳を創る読書―なぜ「紙の」が人にとって必要なのか』は、小著ながら「読書」の意味をあらためて考えさせてくれた。著者、酒井邦嘉氏は『言語の脳科学』(中公新書)などの著作が高く評価されている、言語学と脳科学を結ぶ新しい分野の代表的研究者だ。この「言語脳科学」から「読書」を見るというのが、書のユニークな視点だ。加えて、大変な読書家である酒井氏自身の「紙のの一愛好家としての意見や思想」も味読する価値がある。 第一章「読書は脳の想像力を高める」は、さらりと平易に書かれているが、後の議論の重要な手がかりとなる。入力情報としては、活字は音声や映像に比べて圧倒的に情報量が少ない

    『脳を創る読書―なぜ「紙の本」が人にとって必要なのか』酒井邦嘉(実業之日本社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    sikatas
    sikatas 2012/03/31
  • 『平行植物(新装版)』レオ・レオーニ 著、宮本淳 訳(工作舎) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「活版の楽しみ方」 久々に「印刷買い」をした。このブログで最初に書いた『池田学画集1』以来だから、ほぼ半年ぶりだ。 書店で平積みになっている『平行植物(新装版)』のジャケットを見たとき、タイトル文字がギザギザした輪郭だったので、まさかグラビア印刷?と思わず手が伸びた。実際は現在主流のオフセット印刷だったので「まあそりゃそうだろう」と少しがっかりしつつ中を開くと、文がいまどき珍しい活版印刷。これも何かの縁だと買うことにした。 最初に少しだけの内容を紹介すると、これは名作絵『スイミー』で知られるレオ・レオーニが書いた「幻想の博物誌」。平行植物という現実には存在しない植物を、架空の研究者による発見談や研究発表を通して描き出していく、というものだ。だいたい触ると崩れるわ写真にも写らないわという物体をどうやって研究すんだ?って話だが、ウソっぱちの話を徹頭徹尾真面目に解説

    『平行植物(新装版)』レオ・レオーニ 著、宮本淳 訳(工作舎) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 書評空間:キノベス!2012

    「キノベス!」は過去1年間に出版された新刊を対象に、紀伊國屋書店で働く全スタッフから公募した推薦コメントをもとに、選考委員の投票でベスト30を決定し、お客様に全力でおすすめしようという企画です。 今年は選考委員長と10名の選考委員が、全社から集まった563の応募コメントを熟読し、ベスト30を決定しました。 当社のスタッフが自分で読んでみてほんとうに面白いと思ったばかり、自信を持っておすすめです。店頭で、ぜひお手にとってご覧ください。 「キノベス!2012」記念イベント開催! 新宿 2/4(土) キノベス!2012 授賞式&トークセッション 三浦しをんさん、岸佐知子さん <いま、ことばを編むということ> 梅田 2/20(日) キノベス!2012 第2位 山崎 亮さん<建築家の育て方、コミュニティ デザイナーの育て方> →bookwebで購入 (光文社/1,575円) 熱い。とにかく熱い!

  • 『恋とセックスで幸せになる秘密』二村ヒトシ (イースト・プレス) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「恋のルール・新しいルール」 どうしよう。何から話せばいいかわからない。読み終わったあと、猛烈に「このについて語りたい!」と思い立ってパソコンを立ち上げたものの、わたしの言葉ではこのに追いつかないような気がしてぼんやりしてしまう。どういうことだろう。何を戸惑っているんだ、わたし。とりあえずもう一度読み返してみよう、二村ヒトシ著『恋とセックスで幸せになる秘密』を…。 あなたは「わたしのことを好きになってくれない人を好きになっちゃう」とか「向こうから好きだって言ってくれる人は、なぜか、好きになれない」ことが多くありませんか? 「私は自分がキライ……。でも、そんな自分が大好き」って思うこと、ありませんか?(4頁) 男性から「愛されよう」と無理してやっていることが、結果的に「その男性から大切にされない」ことにつながり、「軽くあつかわれる」ように自分からしむけていることにな

    『恋とセックスで幸せになる秘密』二村ヒトシ (イースト・プレス) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    sikatas
    sikatas 2011/09/01
  • 書評空間 : 東大生100人、おすすめの100冊

    2011年5月28・29日に東京大学で行われた「第84回五月祭」で「東大生100人、おすすめの100冊」というユニークな企画が開催されました。主催は「2009年度入学理科2・3類22組を中心とした有志」。実は文芸サークルでも文学系ゼミでも何でもない、一人の東大生が思いつきで実現させた企画でした。 100人の東大生に、ただ、「あなたのおすすめのを貸してください」と頼んでみたら一体どんなが集まったのでしょう。 五月祭当日には、100冊のを持ち主からのコメントを付けて教室に展示し、立ち読みしたり何か飲みながらゆっくり読んだりできる空間が出現しました。 今回、縁あって書評空間内に企画のアーカイブを置くことになりました。「を通して東大を知ってもらう」というコンセプトははたして実現できているかどうか、ぜひ、ご覧ください。 1.このとの出会いはいつですか? 1年生の冬に、当時入っていたストリ

    sikatas
    sikatas 2011/08/04
    book
  • 編集者・上田宙の書評ブログ : 『池田学画集1』池田 学(羽鳥書店)

    →紀伊國屋書店で購入 「ジャケ買い」や「装丁買い」といった言葉がある。作者や作品の内容ではなく、見た目のデザインに惹かれて思わずCDやを買ってしまう、というものだ。それらとよく似たもので私がついついやってしまうのが、の「印刷買い」である。今回紹介する『池田学画集1』もそんなの一つだ。 『池田学画集1』(羽鳥書店、2010年)は、画家・池田学氏初の作品集である。 池田学氏の画の特徴であり最大の魅力でもあるのが、その描写の細密さだ。細部まで丹念にペンで描き込まれた細密画は、圧倒的な迫力で見る者に迫ってくる。 書のあとがきには、 筆を使えばひと塗りで済むような面積も、ペンとなるとそうはいかない。 わずか5センチ四方の面積でも、 細かいタッチで埋めていくにはゆうに1時間はかかる。 だがそこが僕の生命線でもある。 とある。 書の扉ページをめくるとまず目に飛び込んでくるのが、山水画を思わせる

    編集者・上田宙の書評ブログ : 『池田学画集1』池田 学(羽鳥書店)
  • 書評空間:キノベス!2010

    2009年10月以降出版された新刊(文庫化タイトルを除く)に限定して、「自分で実際に読んでみて面白かったのでお客様にぜひオススメしたい」という趣旨で、推薦文添付を条件に、紀伊國屋書店全従業員から募りました。 約700件の応募に対し、社内の「自他ともに認める好き」のスタッフ十数名が選考委員として最終投票。紀伊國屋書店としてオススメしたい30点を選びました。 私たちの2010年おすすめをどうぞ手にとってご覧ください。 →bookwebで購入 (新潮社/1,995円) 「さみしい」という孤独な四文字のことばに、嘘ややましさ、なにかごちゃごちゃとしたどぎつくカラフルなもの、たくさんの不純物を混ぜてこねると、この小説が生まれる気がします。もちろんその「さみしい」はとてもヘンな形をしているのですが、だからこそ愛おしく、大切だと思えるのです。 〔新宿店・梅﨑実奈〕 洗面器で水泳を教える女性、玄関

  • 『切りとれ、あの祈る手を――<本>と<革命>をめぐる五つの夜話』佐々木中(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「情報と文学の関係」 著者の佐々木中氏は『夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル』(2008年)という大部の思想書で、注目を集めた。書でも特にルジャンドルが重要な導きの糸となっているものの、主題はあくまで「文学」に据えられている。 では、佐々木氏の文学観はどのあたりにあるのか。彼の語りは一種憑依型で、独特のリズムがあるが、言わんとすることは比較的単純である。すなわち、無味乾燥な「情報」の摂取にまで切り詰められた読書行為を、徹底して身体的で崇高なものとして捉え返すこと、これである。佐々木氏にとって、それはほとんど、読めないテクスト(聖典)を読み、しかも書き換えるという逆説的行為に近い。ゆえに、文盲であったムハンマド、読むことを「祈りであり瞑想であり試練である」といったルターが高く評価される。あるいは、ダンスや音楽を通じた「革命」が志される。 逆に、書では、「情報

    『切りとれ、あの祈る手を――<本>と<革命>をめぐる五つの夜話』佐々木中(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • ピクウィック作業日誌 - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    フェア開催まであと約一週間となりました。 およそ9,000冊のたちが今か今かと出陣待機中。 どーん! 店頭に並べるためには、 いろいろとやらなければならないことがあります。 ひとまず、箱から出して出して、分けて分けて…… ばーん! ずーん! 全作品に解説ポップをつけるために、 シュリンカーという機械で一冊一冊、ビニルに包んでいきます。 まず、ビニル袋に入れて、 じゃ、森茉莉いきまーす。 どきどき…… 出た! こんな感じでどんどん包んでいきます。 ビニル掛けが終わったものには、解説ポップを。 テープで貼って、貼って、貼りまくる! どんどんいくぞー。 できました。このように、すべての作品に解説ポップがつきます。 フェア開催まであと少し、準備万端でお待ちしております。 どうぞ皆様、おたのしみに!

    ピクウィック作業日誌 - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 書評空間 : 紀伊國屋書店ピクウィック・クラブのブログ

    文学博覧会。それは我々人類の、言葉の軌跡と滾々と湧き出る想像力の可能性とを一堂に集結させた、果てない空間である。言葉を獲得した人類は、言葉によって歓び、怒り、悲しみ、闘い、慰められてきた。しかし一方では、言葉にすることさえできぬほどの圧倒的な自然や現実の前に屈することもあったであろう。それでも我々には想像力があった。たとえ黙することしかできない世界の前にあっても、我々の中にある想像力だけは永久に失われることはない。 不可侵の想像力をたずさえ、それを言葉へと昇華させた古今東西の文学作品約600点すべてに担当者がそれぞれ精読した上でのコメントとキーワードをつけ、それを40のパビリオンに振り分けた。ひとつひとつの文学作品を、言葉と想像力の大見市として構成したのがこの文学博覧会、「ぶんぱく'11」である。 文学史上類をみない熱い祭典が、ここにはじまる。 2011年4月1日〜5月31日 紀伊國屋書

  • 『朗読 Lolita』 Nabokov & Jeremy Irons (Random House) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 『ロリータ』の朗読CDである。アメリカは通勤に鉄道よりも車を使うことが多いので運転しながらでも楽しめる録音書籍が普及しているが、これは並の録音書籍ではない。朗読しているのはなんとエイドリアン・ライン版の『ロリータ』に主演した名優ジェレミー・アイアンズなのである。 抜粋版も出ているが、こちらは完全版で全部で10時間以上ある(なぜか抜粋版よりも安い)。の付録ではなく純然たる10枚組のCDだが、書籍扱いで販売されており ISBNもついている。 CD1枚につき 10前後のトラックにわかれており、WMPでリッピングすると xxChapterというファイル名になるが(xxは数字)、トラックと章割りは一致しない。"Lolita, light of my life, fire of my loins..."という有名な書きだしは 1枚目の第2トラックの60秒目からはじまる。第二部の

    『朗読 Lolita』 Nabokov & Jeremy Irons (Random House) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 書評空間:キノベス!2009

    2008年10月以降出版された新刊(文庫化タイトルを除く)に限定して、「自分で実際に読んでみて面白かったのでお客様にぜひオススメしたい」という趣旨で、推薦文添付を条件に、紀伊國屋書店全従業員から募りました。 約620件の応募に対し、社内の「自他ともに認める好き」のスタッフ十数名が選考委員として最終投票。紀伊國屋書店としてオススメしたい30点を選びました。 私たちの今年のおすすめをどうぞ手にとってご覧ください。

  • 書評空間 : 紀伊國屋書店スタッフによる書評的空間

    ブログでは、紀伊國屋書店で働くさまざまなスタッフが、自分が読んでほんとうに面白かった・役に立った・感動したを、書評空間読者のみなさまに自分の言葉でご紹介していきます。 「プロの読み手による書評」とは申せませんが、書店スタッフがどんなをどれだけ情熱をこめてお薦めできるものか、ご注目ください。 →紀伊國屋ウェブストアで購入 「世界とのつながりを取り戻す旅」 「旅」の感覚がわからなくなった。いまや行き先を入力するだけで手取り足取りのカーナビや、スマホのアプリが、たいていのところへは連れて行ってくれる。ナビゲーション技術の進歩にはどんなに感謝してもしすぎることはないが、ちらっと不安もよぎる。もしそうした機器を持たずに出かけてしまったら、すさまじい無力感にさらされるのではないか。 携帯端末に頼っていると、ありがたいけれども、自分自身が頼りなくなってくる。自分の体がたしかに覚えていた方向感覚

  • 紀伊國屋 書評空間

    紀伊國屋 書評空間
  • 1