日本における障害者の法的定義―その現状と課題― 日本社会事業大学 障害者の法的定義研究会* 資格制限諸法を除くと、障害者関係法の対象は一般にその法によるサービスを必要とする人とするのが自然である。しかし実際には年齢、障害の発生原因(労災に限るなど)、国籍などの制約があり、さらに法の一般的対象とされても個別の給付・サービスについては保険料納付要件、家族や住宅の状況、情報不足、交通困難、自己負担、予算不足などで利用できないことも多い。2人以上の聴覚障害者を雇用する事業主への助成制度(手話通訳者委嘱など)と1人づつ雇用されている実態との矛盾も指摘される。 このように対象をめぐる問題は広範囲にわたるが、本小論では障害(の種類や程度)の側面を考察する。とりあげる法律は障害者基本法、福祉各法、障害者雇用促進法、国民年金法とした。基本法は実定法のあり方に影響する重要なものであり、他の3つは障害者施策の中