北朝鮮は先週、故・金日成(キムイルソン)主席の生誕100周年にあたる4月15日を前後して、国産の人工衛星を打ち上げると発表した。その現場に「外国の権威ある専門家や記者」を招いて打ち上げを見せるとも公言した。 この件に関する北朝鮮の一連の動向を見ると、実際に衛星を地球周回軌道に乗せようとしている可能性を決して排除できない。これは深刻な危険の存在を意味する。 人工衛星を打ち上げる技術は原理的に、核兵器を搭載する大陸間弾道ミサイル(ICBM)と同種だ。 北朝鮮がたとえ貧弱なものであれ衛星を飛ばす技術を手にすれば、ことは重大である。既に確保済みのプルトニウムや、推進中と見られるウラン濃縮の技術を利用しつつ、核兵器の小型化を図り、時間はかかるにしてもICBMへの搭載を目指す道筋が見える。このような事態はとうてい容認できない。 日米韓はもちろん中国、ロシアも北東アジアの緊張を高める北朝鮮の行動に危機感