文句なく苗場史上最高動員をGreen Stageに飲み込んでのレディオヘッド、初のフジロック・ヘッドライナーでのパフォーマンスは、ある意味、それだけのオーディエンスが持ち込んだ空前の期待値をも悠々と飲み込んで余りあるものだった。現代ロックにおいて発明途上にある数々の最新型フォーミュラを矢継ぎ早に採用したその手さばきは、このバンドをしていまもなお新鮮で次世代を担う存在にさせていることを十二分に証明していた。圧巻、と呼ぶには、もはや余裕すら感じさせるそのたたずまいは、なにかもうはあーとため息のひとつでもしたくなるほどだった。 初日のザ・ストーン・ローゼズがすべてのオーディエンスを「仲間」にしようと試みたとするなら、この夜のレディオヘッドはいつものように「個」にした、といえるだろう。最初期のころは、アメリカ人にもわかるほどの(?)ドラマチックなロック・チューンを鳴らしていたレディオヘッドが、その