以前はフジテレビで放映され、現在はネットフリックスで配信されている日本の『テラスハウス』がアメリカで大人気だ。 New YokerやNew York Timesなど権威あるメディアが好意的なレビューを書き、TIMEにいたっては『2018年のベストTV番組』TOP10に同番組をランクインさせた。当該ランキングにおいて『テラスハウス Opening New Doors』は6位。これは、ジュリア・ロバーツの主演ドラマとして注目を集めた『Homecoming』を上回る評価だ。
去年の秋、アルテスパブリッシングから出版された「文化系のためのヒップホップ入門」という本がやたらと面白かった。音楽ライターの長谷川町蔵さんと、慶応大准教授の大和田俊之さんによる対談形式の本で、平易な表現で読みやすく、ディスクガイドも充実。当然ながらよく売れていて、評判も高い。 しかし、入門する気がなくても面白い。というのも結果的にヒップホップの切り口から、それ以前の音楽を批評した内容になっているからだ。長谷川さんが冒頭に宣言するのは次のようなテーゼだ。 「ヒップホップはロックと同じ音楽だと思うから面白さがわからないのであって、ヒップホップは音楽ではない」「ヒップホップは一定のルールのもとで参加者たちが優劣を競い合うゲームであり、コンペティションです」 あれーっ、そうだったの? という感じだが、この本の企画は音楽史研究者であるにも関わらず「ヒップホップの壁を超えられなかった」大和田さんが、自
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