処理水放出と「リスク・コミュニケーション」のちゃぶ台返し もっとも重要なのは、信頼関係をいかに構築していくかだ 安東量子 作家・NPO法人福島ダイアログ理事⻑ 神経を逆撫でする、という表現がある。あるいは、無神経ともいう。2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故のあと、「リスク・コミュニケーション」という言葉がよく聞かれるようになった。新型コロナウイルス感染拡大に際しても広くメディアで話題に上ったので、目にしたことがある方も多いかもしれない。 東京電力福島第一原子力発電所事故後の、放射能や原発事故に関連する政府によるリスク・コミュニケーションは、失敗続きだった。政府の伝えたいことをうまく伝えることができなかっただけならまだしも、わざとコミュニケーションを悪化させ、政府は信頼できないと国民に思わせようとしているのではないか、狙って神経を逆撫でしようとしているのではないかと思われるよう
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