「電子書籍、紙の本と共存」ハーバード大・ダーントン教授2011年3月7日ロバート・ダーントン教授著者:ロバート ダーントン 出版社:岩波書店 価格:¥ 1,260 発行が急増している電子書籍。私たちと本との関係を変えるのだろうか。未来の姿を歴史に求め、書物史の世界的権威であるハーバード大のロバート・ダーントン教授を訪ねた。 ◇ ――電子書籍は「本」の定義や読書の方法を変えると考えますか。 15世紀にグーテンベルクが活版印刷を発明したことに匹敵する変化を、私たちはいま体験している。スクリーン上での読書は、肉体的には新しい経験だ。とはいえ、すべてが新しいわけではない。 ――電子書籍は綴(と)じられた一冊の本を通読するだけでなく、本から別の本やウェブへと、断片をたどるようにも読まれています。 印刷の世界にも、小冊子など綴じられていないさまざまな形態がある。断片化した情報は昔から愛されていた。1